2012/02/06

ノルウェーの産休・育休

ノルウェーについてのブログを書くとなると、やはり触れなければならないのは、産休・育休制度ではないでしょうか。私は上の娘をカリフォルニアで、下の娘をノルウェーで産んだのですが、カリフォルニアのときは学生だったので、あまり産休とかは関係ありませんでした。下の娘の方は、ノルウェーに引っ越してきてすぐ妊娠が分かりました。ノルウェーの産休制度は最低6ヶ月働けば受け取ることができます。私は2008年の7月に働き始めたので、その年いっぱい働けば産休を取る権利があることになります。娘の予定日は2月。まるで図ったようなタイミングにかなり気が引けましたが、職場の人たちはまったく気にする様子もなく、かえって「いやー、せっかくノルウェーに引っ越したんだから、制度は利用しなくちゃね」という感じでした。

というわけで、引っ越してけっこうすぐに産休・育休制度について調べたわけですが、100パーセント有給で10ヶ月、80パーセントで12ヶ月、というものです。つまり、産休・育休中お給料はほとんど減らない。これは助かります。また、この期間は夫婦間で、と言う意味で、妻のみ、ではありません。誰がいつとる、というのをわりと自由に割り振ることができます。ただし、最初の9週間(予定日3週間前と子供が生まれてから6週間)は母親がとる、というのと、父親は最低12週間の育休を取らなければいけない、というのが決まっています(2009年2月の時点では6週間だったのが、今では12週間に増えました)。




この父親の割り当て、パパクオータ、は絶対とらなければいけない、というものではありません。ただ、この12週間は父親しか取れないので、使わないからといって、母親に譲ることはできません。12週間の有給の休みをフイにするのもばからしいので、ほとんどの人はこのパパクオータを取ります。これは権利なので、休みを取ったからといって職場で何か言われるようなことはありません。みんな当然のように取ります。ベビーカーを押すパパの姿は、全くありふれた光景です。また、仕事に行っている人も4時過ぎには帰って来るので(「帰宅は4時半」参照)、朝早くから夜遅くまで一人だけで子供の世話をする、というわけでもありません。

そして、育休が終わったら、みんな当然もとの仕事に戻ります。子供の面倒を見るから家にいる、なんて言ったらびっくりされます。ただ、仕事の量を減らすお母さんはけっこういると思います。その場合でも、社会保障は仕事に関係なく受け取れるので、別にフルタイムじゃないからどうということはありません。

さて、この産休・育休制度、北欧諸国や他のヨーロッパと比べてもかなり寛容なようで、ノルウェー人のプライドとなっていますが、それでやはり思うのは、この制度は産油国であるノルウェーだからこそ可能なのか?ということです。はたして、日本はノルウェーの制度から学べることがあるのでしょうか。それはまた別の機会に考えてみたいと思います。

2 件のコメント:

  1. す、す、すごいっ!!!
    羨ましい・・・こういう制度が日本に確立されたら、育児に疲れて我が子を手にかける痛ましい母親の姿はなくなるのに・・・。
    ここのところ毎日楽しみに読ませてもらっています。
    今年の夏から娘がそちらに留学予定で、にわかにノルウェーブームに陥っています。
    Yukoさんのお話、母として、妻として、一人の社会人として、そして日本人としてたいへん興味深いです。

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    1. たあこさん、

      コメントありがとうございます。ブログを始めての初コメント、すごくうれしいです!しかも、楽しみに読んでいただいているとのこと、励みになります!娘さんがノルウェー留学されるそうですが、日本とはまた違う価値観で動いている社会、少しとまどうことはあるかもしれませんが、きっと素敵な経験をされることでしょう。お母様も、娘さんがいる間にぜひノルウェーを訪問して、自ら体験してみてくださいね。

      ノルウェーは本当に家族に優しい社会だと思います。日本ももっとそうなったらいいですね。私もこのブログを通じてノルウェーを紹介することで、少しでも「こんな社会もある」というのを日本の人に知ってもらえたら、と思っています。

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