2012/06/28

日本の小学校--ノルウェーとの違いは?

娘たちが日本の幼稚園と小学校に入ってもう2週間。3週間の期間中、もし毎日泣きながら通うようなら、学校に行かないでもいいか、と思っていたのですが、二人ともすっかり慣れて、毎日笑顔で通っています。幼稚園は、日本のノルウェーも、そんなに変わらないように思いますが、小学校となると、やはりもっと違いが出てくるようです。私が感じた日本とノルウェーの小学校の違いは・・・

「さん」で呼ぶ
今小学生は「さん」で呼ぶように指導されているようです。「くん」「ちゃん」では男女平等ではないので、一律「さん」で呼ぶのだそうです。実際娘の担任の若い先生は、働き初めの頃「くん」「ちゃん」で呼んでいたのを、教頭先生などに「今は男女平等に、さん、で呼ぶ、ということに全国的に指導されているので気をつけるように」と注意を受けたそう。ノルウェーはもちろん名前を呼び捨てですから、これは日本独自の点ですが、女の子はともかく、小学一年生の男の子を「さん」で呼ぶのはちょっと違和感がありますが・・・。先生は、授業中など「太郎君、これどう思う?」ではなく、「太郎さん」。みんなで一緒に遊ぶときも、「じゃあ、たかしさんが鬼ね。」うーん、男女平等はけっこうですが、「さん」で呼んだからって、男女平等の意識が芽生えるとも思えませんが。そういう研究結果でもあるのでしょうか。子供たちも、授業のとき意外は「ちゃん」「くん」で呼んでいるようで、やはりその方が自然なようです。保育園で働くイトコにその話をすると、「小学校で「さん」付けだから、今は幼稚園や保育園でも、慣れやすいように「さん」で呼ぶところもあるよ」とのこと。「ちゃん」や「くん」という呼び方はいずれ無くなってしまうのかもしれません。

歯磨き
日本は歯磨き指導が厳しい!幼稚園でも随分力を入れていて、先日も幼稚園に歯磨き指導の講習に行ってきたばかりです。コップと歯ブラシは毎日持参して、お昼のあとにしゃかしゃか。これば幼稚園で終わりかと思ったら、小学校でも、給食の後に毎日歌に合わせて歯磨きするそうです。私が小学生のときは学校で歯磨きした覚えはないので、もっと最近始まったののでしょうか。ノルウェーでは学校で歯磨きなどきいたことありません。それどころか、外から帰ってきたら手洗い、うがい、というのすら、ずいぶんざっくばらん、というか、あまり気にしてないように思います。さすがに、トイレの後は手洗い、というのはちゃんとやっていますが・・・。日本は公衆衛生にもっと敏感だと思います。飛行機の中でもみんなマスクしてるし(関係ないですか?)ちなみに、ノルウェーは、成人するまで、歯医者はタダですが、大人になると保険がきかず、全額負担になります。一度の診察で万単位の治療費がかかるようです。歯の治療に外国まで行くの稀ではありません。飛行機代を払ってもその方が安い、なんて。他の医療は国の補助を受けているのに、なぜ歯科は駄目なのか。謎です。

通学
日本もノルウェーも基本は歩いて通学だと思いますが、私の実家は校区のほぼ境目にあるので、歩いて30分ほどかかります。さすがに日本語も不自由で日本の交通ルールにも慣れていない娘を一人で30分も歩かせるのは心配なので、車で送り迎えしていますが、驚いたのは、お迎えの子供がけっこうたくさんいることです。私が子供の頃は、歩いて帰るのが当たり前で、雨が降ろうと吹雪だろうと、送り迎えしてもらっている子はいなかったのに。また、持ち帰る荷物が多いと、「車で迎えに来てください」という連絡が学校からくるそうです。私たちは朝顔やベゴニアの鉢やらなんだら、重たくても30分の道のりを歩いたものですが。ちなみに、ノルウェーでも、今は送り迎えしてもらっている子供が増えているそうです。時代が変わったのですね。

2012/06/23

日本て効率いいの、悪いの!?

日本に戻る度に思うのは、日本という国の効率の良さと悪さです。やたらに効率よく物事が運んでいるところもあると思いきや、えっ、というところで信じられないほど効率が悪いことがあったりして。

例えば先日、日本の運転免許の更新に行ってきました。更新、といっても、実はもう失効していて、再発行してもらいに行ったのですが(しかも、これで二度目)。免許センターに入ると、入口にスタッフが待っていて、目的に応じて来訪者を次々と正しい窓口に振り分けていきます。私が失効した免許書の再発行の旨を告げると、「ハイ、じゃあこの用紙に記入して、その後そこで写真を撮りますね。」用紙を記入し終えた頃にはもう写真の係りの人が待ち構えていて、「では、そこに座ってレンズを見てね、ハイ、撮れました。では、この写真を持って4番の窓口ね。」4番の窓口が終わると、「では、床の赤い矢印に沿って5番の窓口へどうぞ。」5番で必要な書類を提出すると、「では、5歩くらい右に行った窓口で証紙を購入したら、またここに戻ってきてください。」その後視力検査や、その他の手続きも万事この調子。その後2時間の講習を受けに行くと、私が最後の入室者ようです(初めて免許を更新する人用の講習なので、私の他は20代前半の若者ばかりです)。そして、待ち構えたように講習が始まり、終わったのも予告通りの3時40分。前回失効して再発行してもらいに行ったときも、同じように3時40分に終わったのを覚えています。まるで、ベルトコンベアの生産ラインみたいに、スムーズに進みます。ノルウェー(効率悪い、でも、更新は必要なし)やアメリカ(待ち時間ものすごく長い)とは大違いです。

また、90になるうちの祖母はほぼ毎日デイケアサービスに行っているのですが、足が悪く、下半身はほとんど動けません。そうるすと、デイケアサービスの人が毎日車で迎えに来てくれるわけですが、朝、とても爽やかな「おはようございまーす」の掛け声とともに、ささっ、と家に車椅子を持って上がってきて、ささっ、と祖母をベッドから車椅子に乗せ(祖母は体格はいいので、けっこう重たいです)、「では、いってまいりまーす。」の掛け声とともに、玄関の段差などなんのその、という素早さで、ささっ、と祖母に靴を履かせ、自分たちもささっ、と靴を履いて、爽やかな風とともに去ってゆきます。その一連の動作に無駄はなく、経験のない人がやるとものすごく大変で時間もかかることを、とても機敏に、素早くやってしまいます。す、すごい!こんな爽やかで機敏な光景はノルウェーでは見たことありません。

2012/06/21

日本の小学校に体験入学!

日本滞在中、上の娘は地元の小学校に入学させてもらえることになり、私も遅ればせながら、子ともが小学校に入学する親の気持ちを味わっています。もちろん、娘はノルウェーでは小学校に通っていますし、学期が始まるのが早い分、実はもう一年生を終えて、この8月からは2年生になるところですが、なにしろ言葉もよくわからない日本の小学校に通うわけですから、こちらも緊張します。

娘が小学校に通い始めて3日。いったいどんな反応を示すのか、学校に行くのが苦痛で泣き叫んだり、体調が悪くなったりしないか心配でしたが、今日などは、学校まで送りに行って、教室まで送って~、と言ってごねたくらいで、実際教室まで送って行ったら、笑顔でバイバ~イ、さっさと自分のロッカーにかばんを入れに行き、私が物陰で様子を見ているのに気付くと、手で早く行ってよ、のジェスチャー。逞しい。

そうは言っても、初日はさすがにめそめそしてばかりでした。私も一緒に行ったのですが、私がちょっと離れると泣き出し、私が先生と話をしている間、授業を一時間だけ一人で受ける予定だったのですが、心細いようで、結局私についてきて先生の話を一緒に聞き、最後に一時間だけ算数の授業を一緒に受けてきました。算数自体はノルウェーで通っている学校でもやっているので大丈夫ですが、先生のおっしやることや、問題の内容が分からなければ、解きようがありません。また、プリントなどには名前を書くわけですが、ひらがなもそんなに上手ではないので、名前を書く時点ですでにつまづいてしまいます。

一日めそめそしていたので目が赤くなっていましたが、それでも、帰るころには、楽しかったから、また明日も行ってもいい、と言っていました。子供たちがとても歓迎してくれて、嬉しかったようです。帰ってからさっそくひらがなの練習も始めました。みんなが上手にひらがなを書いているのに刺激されたようです。

2012/06/19

締め切り、締め切り, 締め切り

ここのところ、投稿が滞ってしまいました。帰国準備に加えて、いろいろと締め切りが重なって忙しい毎日を送っていたためです。なぜそんなに締め切りがたてこんでいるかというと、夏は私たちにとって学会の季節だからです。といっても、学会はもちろん年間を通してあるわけですが、やはり夏に多いのは、夏は基本的に授業がなく、学校もないので、まとまって旅行しやすいためでしょうか。
学会に家族連れで来る人たちもたくさんいます。仕事もこなしながら、家族のバケーションもとれて、一石二鳥です。

学会には論文を前もって送って、審査に通った場合のみ発表できるのが普通です。ただ、この時点で、完成した論文を送る場合もありますが、2ページほどの概要を送ればよい学会もよくあり、その気軽さで私は概要をを3本送ってありました。これも、全部の審査に通るとは限らないため、少し多めに送ったわけですが、これがなんと、3本全部通ってしまい、嬉しい悲鳴(?)をあげながら論文を3本書く羽目になった次第です。共著の同僚からは、お前は書き終わった論文以外は学会に応募禁止、と禁止令まで出される始末。

それ以外にもいろいろやることがある中、なんとか1本書き上げたのですが、次のがなかなか終わらず、帰国当日まで仕事をした後、二日間の東京滞在中も、昼に観光して夜に論文を執筆というハードスケジュールとなってしまいました。スカイツリーの見える夜景を背に、時差でなかなか寝てくれない子供がやっと寝た後、午前2時、3時まで仕事、そして翌朝普通に起きて観光・・・つらい。でもなんとか2本目の論文も締め切り当日に出し終え、ほっと一息。でもまだ3本目の論文は始めてもいませんが。

2012/06/10

スタヴァンゲル新コンサートホール

スタヴァンゲルに9月に新しくオープンするコンサートホールのサウンドチェックも兼ねた非公開のコンサートに行ってきました!なぜそんな機会に恵まれたかというと、スタヴァンゲルシンフォニーでヴァイオリンを弾く菜穂さんという方が招待して下さったからです。私は彼女とは面識はなかったのですが、日本人コミュニティーに宛てたメールでコンサートのことを知り、さっそく「ぜひ行きたいです!」とずうずうしくお願いしたのです。しかも、彼女がヴァイオリンのソロを弾くということで、ますます楽しみです。一応チケットを4枚お願いしたのですが、さて、誰といくか?平日なので夫と行くのは無理(ベビーシッターが必要なので)。下の娘はまだクラシック音楽のコンサートは早いだろう。ということで、上の娘と、夫の母親と妹さんを連れて行くことになりました。演奏はもとより、まだオープンしていないコンサートホールで観客を呼んでの初のお披露目、ということで、私たちみんなとても楽しみにしていました。

チケットは、菜穂さん本人が、同じくシンフォニーでヴァイオリンを弾いているさやかさんという方とふたりで、わざわざ大学まで届けてくださいました。大学のカフェでコーヒーをすすりながらきくところによると、おふたりとも外国生活が長く、小さい頃から外国で過ごしているので、日本語より英語の方がラクなようです。私が菜穂さんとのメールのやりとりで、日本語だとメールの返信を書くのに何倍も時間がかかるため、途中から英語に切り替えて、「すいません、英語で失礼します」と返信すると、「ありがとうございます!私も英語の方がラクです!」との答えが返ってきました。日本語でメールを書くのは、やはり外国生活の長さに比例して大変になってくるようです。

私は音楽家の方とお会いするのは初めてなのですが、大学の駐車場に車を止めてカフェに向かうのに、おふたりともご自分の楽器を持って車を降りてきたのが印象的でした。盗難防止?それとも、車に置いておくと楽器の調子が悪くなるとか?どういう理由なのかききそびれてしまいましたが、学会に行くのにノートパソコンを家に忘れた経験のある私とは大違いです。

当日、一旦家に帰って晩ご飯を食べ、大急ぎで会場に向かいました。途中夫の母親と妹をフェリーターミナルで拾ってコンサートホールに向かいました。あるはずの駐車場もまだ建設中のようで、また、道路もまだ工事中で、コンサートホールの入り口付近は混雑しています。ちょっと遠くの駐車場に車を止めて、コンサートホールに向かいました。コンサートホールはガラス張りのモダンな外観で、スタヴァンゲルの名所、プレイケストーレンを思い起こさせるデザインです。チケットを渡して中に入ると、ところどころ剥き出しでまだ完成していないのが分かります。

コンサートホール外観はガラス張りです。

2012/06/04

子供の国際交流

夏は毎年日本にひと月ほど帰るようにしています。子供の学校が6月の半ばから8月の半ばまで丸々2ヶ月閉まってしまうのですが、もちろん仕事はそんなに長く休めないので、それならいっそ日本の学校に通わせれば、日本語の勉強にもなるし、日本の人や生活に触れられていい機会であると考えたからです。そうやって夏にまとめて日本に帰るようになって今年でもう4年目です。去年は娘たちふたりとも、3週間ほど幼稚園に通わせてもらいました。

始めての年は、まず受け入れてくれる幼稚園を探すところから始まりました。とはいっても、私の地元は新潟の田舎。日本語もちゃんと話せない子供を受け入れてくれる場所があるか心配でしたが、地元の幼稚園の情報をネットで調べたところ、なんとスウェーデン人の先生のいる幼稚園を見つけたのです。スウェーデン人の先生は英語を園児に教えているようでした。どうやら、国際交流に力を入れている幼稚園らしく、しかもスウェーデン人の先生なら英語でもノルウェー語でもいけるからちょうどよい、とさっそく母親に問い合わせてもらったところ、快く承諾してくださいました。

そうして、思ったよりスムーズに娘の受け入れ先の幼稚園も決まり、上の娘はそれから3年間お世話になったわけです。下の娘も去年からお世話になっており、今年もまた同じ幼稚園に通う予定です。しかし、上の娘は今年から小学校。幼稚園のようにすんなり受け入れてくれるものでしょうか。私も昔通った地元の小学校に問い合わせたところ、「大丈夫ですよ」と、こちらもあっさり承諾してくださいました。というわけで、今年は、上の娘は小学校に、下の娘は幼稚園に3週間ほどお世話になる予定です。

幼稚園では終わりにこんな素敵な冊子を娘達に作ってくれました。娘達の大切な宝物です。