2012/06/23

日本て効率いいの、悪いの!?

日本に戻る度に思うのは、日本という国の効率の良さと悪さです。やたらに効率よく物事が運んでいるところもあると思いきや、えっ、というところで信じられないほど効率が悪いことがあったりして。

例えば先日、日本の運転免許の更新に行ってきました。更新、といっても、実はもう失効していて、再発行してもらいに行ったのですが(しかも、これで二度目)。免許センターに入ると、入口にスタッフが待っていて、目的に応じて来訪者を次々と正しい窓口に振り分けていきます。私が失効した免許書の再発行の旨を告げると、「ハイ、じゃあこの用紙に記入して、その後そこで写真を撮りますね。」用紙を記入し終えた頃にはもう写真の係りの人が待ち構えていて、「では、そこに座ってレンズを見てね、ハイ、撮れました。では、この写真を持って4番の窓口ね。」4番の窓口が終わると、「では、床の赤い矢印に沿って5番の窓口へどうぞ。」5番で必要な書類を提出すると、「では、5歩くらい右に行った窓口で証紙を購入したら、またここに戻ってきてください。」その後視力検査や、その他の手続きも万事この調子。その後2時間の講習を受けに行くと、私が最後の入室者ようです(初めて免許を更新する人用の講習なので、私の他は20代前半の若者ばかりです)。そして、待ち構えたように講習が始まり、終わったのも予告通りの3時40分。前回失効して再発行してもらいに行ったときも、同じように3時40分に終わったのを覚えています。まるで、ベルトコンベアの生産ラインみたいに、スムーズに進みます。ノルウェー(効率悪い、でも、更新は必要なし)やアメリカ(待ち時間ものすごく長い)とは大違いです。

また、90になるうちの祖母はほぼ毎日デイケアサービスに行っているのですが、足が悪く、下半身はほとんど動けません。そうるすと、デイケアサービスの人が毎日車で迎えに来てくれるわけですが、朝、とても爽やかな「おはようございまーす」の掛け声とともに、ささっ、と家に車椅子を持って上がってきて、ささっ、と祖母をベッドから車椅子に乗せ(祖母は体格はいいので、けっこう重たいです)、「では、いってまいりまーす。」の掛け声とともに、玄関の段差などなんのその、という素早さで、ささっ、と祖母に靴を履かせ、自分たちもささっ、と靴を履いて、爽やかな風とともに去ってゆきます。その一連の動作に無駄はなく、経験のない人がやるとものすごく大変で時間もかかることを、とても機敏に、素早くやってしまいます。す、すごい!こんな爽やかで機敏な光景はノルウェーでは見たことありません。

その一方で、大変不便な思いをしたのは、ユーロ替てで銀行送金しないといけない用事があったときです(仕事関連)。ノルウェーでやっていこうと思っていたのですが、忙しくて時間がなかったので、「日本に帰ってすればいいや」と思ったのが甘かった。ノルウェーではネットバンキングが進んでいるので、それらはネットがあればできるはずなのですが、自宅のコンピューターではJAVAの入りが悪いのか、ノルウェーのネットバンクがうまく働きません。自分のノートパソコンは、なんと、コンセントの変換プラグを東京のホテルに忘れてきたために、そしてうちの実家のような田舎ではヨーロッパから日本への変換プラグなど売っていないために、ノートパソコンの電池がなくなってしまい、ネットでオーダーした変換プラグが届くまで使えない!というわけで、地元の銀行へ出向いて銀行送金することに。

ユーロ替てで銀行送金したいんですけど、と告げると、まず、ユーロ替てではできないので、円替てで送ることになります、というもの。相手はユーロで受け取れるけれど、レートはそのときの為替相場に左右されるので、指定の額ちょっきりには送れません、と。え、そうなんですか?では、ユーロを購入して、それを送ったらどうか、と訊いたところ、それは可能ですが、ユーロ購入に3日ほどかかり(なぜ?)、その手続きが済んだ後、あらためて銀行送金ということになり、その時点から最低2日はかかる、とのこと。しかし、私の締め切りは数日後。それまでに送らないといけないことになっているので、では、円替てでもいいです、と、足りないと困るので少し多めの金額で送ることにして、銀行送金依頼の用紙に記入し終わると、「では、身分証明となるもとをご提示下さい。」そこで、ノルウェーの運転免許証を出すと、「申し訳ありませんが、用紙に記入した住所と同じ住所であることが証明できるものをお願いします。」と言われて、私は困りました。日本の運転免許証は失効していて使えません(さっそく次の日に再発行しに行きましたが)。ノルウェーの免許証は、写真はついていても、現住所まで表記してありません。たとえ家にパスポートを取りに戻ったところで、住所なんて書いてありません。一緒にいた母に代わりに送金してもらおうかとも思いましたが、後日大学に返金してもうらうのに名前が違って問題が生じると困るので、それもだめ。八方塞がりで、結局銀行から送金するのは諦めました。なぜ、お金を送るのに住所の証明が必要なのか!?

これは、たぶんユーロ替ての送金を地元でやろうとしたのが間違いであった、ということなのだと思います。これが東京などだったら、きっともっとスムーズにいったのでしょう。しかし、それにしても、このグローバルな時代に!銀行送金てそんなに大変なの!?そういえば、ネットバンキングなども、ノルウェーに比べると随分進んでいないような。でも、携帯やスイカで買い物できるんでしたっけ?日本て、便利なの、便利じゃないの、どっちなの!?

もちろん、すべてがスムーズで便利な国などきっとないのでしょうし、実際私もノルウェーでさんざん不便をくらっているので、それに比べて日本は基本的に便利で効率いいと思うのですが、そうかと思うと、ノルウェーやアメリカで当たり前に便利なことが日本では不便だったりして。そういえば、日本のテクノロジーの「ガラパゴス化」をなんとかすべき、という内容の本を読んだ記憶があります。日本のテクノロジーは他の諸外国とは違った独自の方向に進化しているため、日本以外のマーケットではあまり競争力がない、というような内容でしたが、テクノロジーだけでなく、サービスなどでも同じように、日本独自の進化をしているのかもしれません。

ちなみに、送金は、ノートパソコンでちょっとだけ残っていたパワーでなんとかできました。電池が残っている間に送金できるか、まさに時間との戦いとなりましたが、なんとか間に合った!そして、変換プラグも無事届きました。しかもオーダーした翌日に。ノルウェーでは絶対ありえないことです。

5 件のコメント:

  1. ゆうこちゃん。いくほです。いつも楽しく読ませてもらってまーす。

    今日の記事、すごく気持ちがわかるわー。私も日本に帰るたびにものすごい効率の良さと、ものすごい不便さを同時に感じるよ。以前帰ったときはクレジットカードが使えなくてすごく困ったよ。アメリカの感覚で現金を持ってなくて、でも細かい買い物はクレジットカードでできなくて、実家に帰るまでご飯が食べれなかった・・・。;_; JRのチケットをクレジットカードで買えたのが本当にありがたかった・・・。今は日本でもクレジットカードはもっと使えるようになってるのかな?

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    1. お久し振り~。私もクレジットカードを使う度に、今回は使えるか!?と、どきどきするよ。今のところ、2箇所を除いてみんな使えたので、前よりは使えるようになったかな。

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  2. こんにちは! また違った視点での毎日、楽しく拝見しております。
    クレジットカード、なぜか日本のクレジットカードがノルウエーで通らず、多々、泣きを見ています。インターナショナルなのに、チップ入ってるのに、マーク合ってるのに・・・。 多分、携帯端末のせいなのかと思っていますが、不便です・涙 そして、日本の銀行は”まったく融通きかない”に一票です。地銀でも都銀での多分同じではないでしょうか? これからもどうぞ楽しんでお過ごしくださいね!

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  3. はじめまして。ノルウェーブログから辿り着きました。私はスウェーデン人と結婚してスウェーデンに住んでいます!

    移住する直前まで地銀に勤めていたので、海外送金の大変さ、よくわかります!
    マネーロンダリングやテロ資金流用の防止のために本人確認が法律で義務付けられていて、国内送金でも厄介なのですが、海外送金になると為替レートなども関わるので手続きが煩雑になるのです…ちなみに身分証明はパスポートでも大丈夫です。

    スウェーデンに来たらネットで銀行手続きが済んでしまうので、びっくりしました。また更新楽しみにしています!

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    1. 本当に、国によって変なところで効率が良かったり悪かったり。もっとお互いに良いシステムをシェアし合えばいいとも思うのですが、そうも簡単にはいかないのでしょうね。そういうところに「国境」や「言語」という壁を感じます。

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