2012/01/31

ノルウェー人の結婚・出産

ノルウェーでは、結婚というものに対して、日本人ほどこだわりがないように感じます。相手にコミットする、というのは大切なようですが、別に「結婚」してなくてもいいようです。それは、サンボーエン(英語で言うドメスティックパートナー、ある一定期間同居して申請すれば法律上は夫婦同様の扱いになる)の制度があるからでしょうか。

去年ノルウェー関連のセミナーで使うのに、ノルウェー人女性の平均結婚年齢と初産年齢を調べたら、初婚は31歳、初産は28歳とのことでした。そう、結婚より出産の方が平均で早いのです。結婚前に一人ぐらい産んどこう、という感じなんでしょうか?実際生まれてくる子供の半分近くが婚外子だそうです。そう思って周りを見回してみると、確かに結婚してないけど子供がいるカップルもたくさんいますし、連れ子婚もよくあるので、異母・異父兄弟もざらです。

子持ちで学生、というのも普通です。私の教えるクラスでも、乳児を連れてきているママがいました。彼女は赤ちゃんをあやしながら授業をきき、赤ちゃんが泣き出してしまったら廊下であやしていました。日本だったらありえない光景かもしれませんが、ノルウェーではありです。大学の構内でベビーカーを押す学生の姿もよく見かけます。

修士のマーケティングのクラスに赤ちゃん連れで授業に出席のママ学生
周りはの反応は全く好意的でした

ノルウェー人の女の子たちは、若くして母親になっても、それをリミットとせずに大学や大学院に進み、キャリアを手にしていくようです。

2012/01/30

マットパッケじゃ物足りませ~ん

ウチでは、お弁当は夫の担当。で、どんなものを作ってくれるかというと、ノルウェーの伝統(?)、マットパッケ、と呼ばれる、超簡素なサンドイッチ。挟まないオープンサンド形式で、上に乗るのはチーズやハム、レバーペースト、缶詰の魚、とかそんな感じです。きゅうりや赤ピーマンが乗ることもあります。お昼を作ってくれるなんて、それだけですごい、と言われそうですが、なにしろ物足りない。

典型的なマットパッケ(matpakke)
上に乗ってる茶色いモノはブラウンチーズです
私たち日本人は、概して温かい食事というのに慣れてるように思います。朝ごはんは、温かいご飯とお味噌汁、もしくはトーストにスクランブルエッグ。お昼はパスタやうどん、ラーメンなどの麺類。夜はもちろん温かい食事。ノルウェーでは、基本は温かい食事は夜のみ。朝も、昼も、パンとハム類とか、シリアルとか、クラッカーとか、冷たい,もしくは温かくない食事が普通です。みんなそれに慣れているので、別にそういうものだと思っているようです。

2012/01/29

ノルウェー人が休日にすることとは?

ノルウェーで、たくさんの人が休みの日にすることとは何でしょう?ショッピングではありません。それは、さ・ん・ぽ。

ノルウェー人は「新鮮な空気」というものに対して、信仰に近い感情を抱いているようで、理想には一日一度は外に出て、新鮮な空気を吸うのがよいとされています。特に子供たちに新鮮な空気を吸わせてあげないとかわいそう、というコンセンサスがあって、下の娘がまだ赤ちゃんだった頃は、毎日散歩に連れて行ってあげないと、まるで犯罪でも犯しているかのような扱いです。

私は(そして多分大部分の非ノルウェー人は)雨に濡れるのが好きではないので、雨が降っているときはあまり外にでたくないのですが、ノルウェー人は全く気にしません。それどころが、天気の悪さに比例して外に出た充実感を得る感じすらあります。ま、基本的に天気の悪い国なので、天気のいい日を待っていたら外にでられない、というのも本当です。

2012/01/27

ノルウェー人と英語

ノルウェー人はみんな英語が上手です。これは、私のノルウェー語が上達しない最大のネックになっています。なにしろ、普通に生活する分には、英語ができれば十分。これは、私が大学で働いていて、周りは国際経験豊かな人たちが集っている、という以前に、本当にみんな、たとえばその辺のコンビニの店員さんだって英語はペラペラ。

もちろん、ノルウェー語も英語もゲルマン語族であり、似ている、というのも大きな理由だとは思います。でも、ノルウェーがものすごく小さい国であるというのも関係していると思います。人口約5百万人。東京都の人口の半分以下です。スタヴァンゲルはノルウェー第四の都市ですが、まわりの町も合わせてせいぜい20万人しかいません。日本でいったら地方都市より小さいです。この小ささが、ノルウェー人の英語のスキルと直結していると思います。

帰宅は4時半

日本の長い労働時間の話を耳にするたび、日本とノルウェーの働き方の違いを痛感します。なぜなら、私の帰宅時間は4時半。大学(職場)を出るのは夫ともども3時半。その後4時前に子供を学校に迎えに行って、家に着くのがだいたい四時半、となります。これは、とくに大学だから早く帰れるというものではなく、普通の会社で働く人は、みんな4時、遅くとも5時には帰宅します。残業なんてしている人はいません。みんな、時間がきたら帰るのが当たり前。

この現象は、私も最初はびっくりしました。アメリカでは、子供を幼稚園に迎えに行くのは6時ごろまで大丈夫でした。だから、私たちは、普通は5時半か6時くらいまで仕事をして、子供を迎えに行き、さらにだいたい私か夫の一人が夜も仕事をしていました。週末も、交代で仕事をしていたものです。これは、前にも書いた大学のテニュアシステムにもよるもので、とにかく永久就職が決まるまでは、必死に仕事をしなければならないのです。そのせいか分かりませんが、大学教授は再婚している人がたくさんいました。テニュアを取るまで仕事一筋で家族にかまっている時間があまりなく、結婚がうまくいかなくなってしまうためではないかと思います。

2012/01/26

天気

まだノルウェーに引っ越してきたばかりの頃、ノルウェーに移り住んで40年という日本人女性にお会いしました。まだまだカルチャーショックも激しいときだったので、私はすがるような思いで彼女に訊きました。「時間か経てばもっと慣れますよね?」彼女の答えは「もちろん。でも、天気と食事だけは未だに慣れられないわね。」ええっ、40年経ってもですか・・・?でも、3年半経った今、やっぱり天気と食事は慣れられない私です。ベテランご婦人の意見は正しい!

ノルウェー、天気悪いです。どう悪いかって、なにしろぱっとしない天気です。雨も多いし、曇りも多い。からっと晴れるなんて、あまりありません。特に私たちの住むスタヴァンゲルは海岸性気候で、気温は温暖だけど雨ばっかり!冬なんて、まだ雪でも降ったほうが雪明りがほんのり灯って、まだ気も晴れる(私は雪国出身)。でも、ここは暗ーい、湿った冬。鬱になる人が多いのも納得です。

2012/01/25

なぜノルウェーに住んでいるんですか?

私が、ノルウェーに住んでいます、と言うとよく返ってくる質問です。面と向かって言われなくても、そう訊きたいんじゃないかな、と思ってしまうのは、自分でも「なぜノルウェーに住むことになったんだっけ?」と思っているからでしょうか。

短いバージョンの説明は、「夫がノルウェー人だから」です。これで相手も「ああ、それで。」と納得してくれます。

長い説明になると、私たちの仕事の説明が必要です。私たち夫婦は、ふたりとも大学で経済学を教えている准教授です。出会ったのは、カリフォルニア。大学院のクラスメートでした。博士課程も終了するころ、職探しをしたわけですが、同じ大学の同じ学部でふたつ求人があるなんて、マレな話です。でも、よほどの大都市でもない限り、同じ街にそんなにいくつも大学があるわけもありません。私たちのようなカップルは、しかし、決して珍しいことはなく、少なくともアメリカではよくあるパターンです。デュアルキャリアカップル、つまり共働きキャリアカップルなどど呼ばれます。大学側も、その辺の事情は分かっているので、一人を雇ったらその配偶者も雇う、という可能性を視野にいれています。そして、夫がコロラド州立大学で職を得たとき、私も配偶者として雇われたわけですが、私のポジションは、テニュアトラックと呼ばれる正規のものではなく、非常勤講師みたいなものでした。

コロラドに住んで2年ほど、グリーンカードも取りました。なので、そのままアメリカにいることは可能でしたが、私は正規のポジションを得るため、職探しを始めました。

始めまして

無謀にもブログを始めてしまいました。
日本出身、アメリカの大学と大学院を出て、現在ノルウェーの大学で准教授をしています。

夫はノルウェー人。
上の娘はアメリカで生まれたので、アメリカ人でノルウェー人で日本人。
下の娘はノルウェーで生まれたのでノルウェー人と日本人。
夫の家族はもちろんみんなノルウェー人(と親戚は一部デンマーク人)。
娘二人は英国学校に通っているので、言語は英語。
家では、娘と夫はノルウェー語で、わたしと娘は日本語で、家族では英語で会話。

この大陸と文化をまたいで生きている経験というのは、
それなりに意味があるのではないかと感じ、ブログを始めてみようと思ったわけです。

一体いつまで続くのかわかりませんが、お付き合いお願いします。