2012/01/27

帰宅は4時半

日本の長い労働時間の話を耳にするたび、日本とノルウェーの働き方の違いを痛感します。なぜなら、私の帰宅時間は4時半。大学(職場)を出るのは夫ともども3時半。その後4時前に子供を学校に迎えに行って、家に着くのがだいたい四時半、となります。これは、とくに大学だから早く帰れるというものではなく、普通の会社で働く人は、みんな4時、遅くとも5時には帰宅します。残業なんてしている人はいません。みんな、時間がきたら帰るのが当たり前。

この現象は、私も最初はびっくりしました。アメリカでは、子供を幼稚園に迎えに行くのは6時ごろまで大丈夫でした。だから、私たちは、普通は5時半か6時くらいまで仕事をして、子供を迎えに行き、さらにだいたい私か夫の一人が夜も仕事をしていました。週末も、交代で仕事をしていたものです。これは、前にも書いた大学のテニュアシステムにもよるもので、とにかく永久就職が決まるまでは、必死に仕事をしなければならないのです。そのせいか分かりませんが、大学教授は再婚している人がたくさんいました。テニュアを取るまで仕事一筋で家族にかまっている時間があまりなく、結婚がうまくいかなくなってしまうためではないかと思います。



それに比べると、ノルウェーは家族第一の印象です。とにかく「家族の時間」が大事。ノルウェーに引っ越してから、確かに夜仕事をすることもありますが、週末はほぼ完全に仕事をしなくなりました。しかし、だからといって、生産性が下がったという気はしません。仕事もちゃんとこなしている(と思う)。働き方の違いでしょうか。私は基本的に好きでやってる仕事なので、仕事をすることは苦にはなりません。そして、仕事をする時間が制限されている分、希少性が上がって、限りある時間の中で最大限の仕事ができるようにがんばる、というメンタリティーができたように思います。

ノルウェーの国も、石油があるので一概には比べられませんが、とくに生産性が低いということもないようです。日本でももう少し帰宅時間がはやくならないものでしょうか。印刷会社に勤める私の兄など、日付が変わってから帰宅するのはざら、でも朝は普通どおり出社。体でも壊すのではないかと心配です。とはいえ、一人だけ、「じゃ、お先に」なんてわけにもいかないのも分かります。ということは、このチェンジは上から、政府や会社の上層部から来ないといけないことになります。でも、生産性や国民の幸福感の向上が期待できるとしたら、やる価値はあると思いますが。




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