2012/02/27

ノルウェー人とバケーション(1)南でバケーション


ノルウェー人は必ずバケーションを取ります。有給休暇は全部で4~5週間ほどあり、いっぺんにとる人もいれば、何度かに分けて取る人もいますが、何週間という単位で仕事を休むのは全く珍しくありません。ノルウェー人は有給を取ることを躊躇しません。当然の権利だと思っていますし、他の人もみんな取るので、取りにくい、ということもありません。

わたしたちがまだアメリカに住んでいた頃、孫の顔を見におじいちゃん、おばあちゃんが訪ねてくるわけですが、夫の両親は3週間、うちの母は5日間、という滞在期間でした。母は今は定年していますが、仕事をしていた頃は、1週間の休暇をとるのでも、おそらく随分仕事を調整したり、周りの人に謝ったりして、なんとか1週間の休みとり、また、短い滞在期間中も親戚や職場の人に配るお土産の心配ばかりしていました。その一方で夫の両親は毎日散歩したり、買い物に行ったり、プールに行ったり、孫と遊んだり、ノルウェーにいる孫達におもちゃやお土産を買ったり、週末にはみんなで小旅行に行ったりして、のんびりゆっくり過ごしていきました。こんな風に三週間も仕事を休めるなんて、ノルウェーとは一体どんな国なのだろう、と思ったものです。

そして、自分がノルウェーに住んでみて、なるほどこれではバケーションにも行きたくなるわ、と思いました。なにしろ天気が悪いのです。わたしの住むスタヴァンゲルはノルウェーとはいえ南の方にあるので、冬でも一日太陽が出ない、ということはありませんが、冬の日の短い間は朝まだ真っ暗なうちに起きて、真っ暗なうちに家を出て、仕事に着く頃空が白み始め、家に帰る頃にはもう真っ暗。また曇りや雨の日も多いので、いつもどよ~ん、としています(「天気」参照)。これは、ノルウェーに住んで経験したとこですが、日照時間が短く、暗い時間が長いと、やたらと眠くなってしまうのです。4時半からずっと暗いせいか、もう8時頃には眠くなってしまいます。昼間もあまり元気がでません。クマが冬眠する気持ちも今なら分かります。夏も夏で、天気がいい日は本当に過ごしやすく美しい日々ですが、それは夏の間1~2週間もあればいい方で、その他の日は毎日寒くて半袖やサンダルでは過ごせません。年中こんなだと、体が太陽を欲するのです。ああ、暖かくて明るいところに行きたい、と。



こうしてノルウェー人は南を目指します。冬の時期では南ヨーロッパはまだ寒いので、さらに南へ。比較的近くではスペイン領のカナリー諸島やエジプト、またタイやベトナムなどの東南アジア、果てはメキシコやキューバまで。私たちも先日カナリー諸島の中のテネリフェという島で一週間のんびりするバケーションを購入しました(三週間後出発!)。そのとき、旅行会社でチケットの手配をしてもらったのですが、私たちの前に若い女性が居座って一人しかいないエージェントを独り占めしていて、何十分待っても終わりません。いいかげん待ちくたびれて、また後で戻って来よう、と一旦そこを出たのですが、戻ってみたら、今度はまた別のもう少し年配の女性がエージェントの前に陣取ってなにやら携帯でどこかに連絡している様子。随分待ってやっと私たちの番になり、チケットを購入したのですが、後から夫からきくと、それらの女性ふたりとも、バケーションを予約したかったのに銀行の口座に十分なお金が無くて、いろいろな分割払いの方法などをきいていて時間がかかっていたようです。そこまでしても暖かいところに行きたいの!?でも、そんな気持ちもわからないでもありません。私たちも、すでにバケーションに行く日数を指折り数えているのですから。

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