2012/03/05

国際結婚 私のケース

国際結婚、といわれると、妙に構えた感じにきこえるのは私だけでしょうか。実際に国際結婚している人は、「別に国際結婚をしたわけではなくて、単に結婚した相手が日本人でなかっただけ」みたいに思っている人は多いのでは。私もそのひとりです。しかも、ずーっとアメリカにいたのに、なぜわざわざノルウェー人と結婚してしまったのか、自分でもナゾですが、からっとしたアメリカ人の中で少しカゲのあるヨーロピアンな雰囲気が新鮮だったのでしょうか。もちろん、彼にしても、ずっとアメリカに住んでいたのに、なぜわざわざ日本人の嫁をもらってしまったのかと思っているのかもしれません。ま、お互い様ですね。

私たちは基本的に英語でコミュニケートします。夫は特に日本に興味があったとか日本語を勉強していたとかでは全く無いので、日本語は話せません。そのくせに、「日本語はカンタン、カンタン。ただ英語の言葉を変な言い方で言えばいいんだ」と言い放ち「スプーヌ(スプーンのこと?)」とか「ワイヌ(ワイン?)」とか訳の分からない単語を連発しています。あの、日本語が全部外来語なわけじゃないんですけど。

また、私のノルウェー語の勉強(移民には必須)も時間の無駄だと思っていて、たいして協力してくれないので(ノルウェー語を勉強する時間があるなら、もっとスペイン語とか、役に立つ言語を習得した方がよい、という意見)、私のノルウェー語は上達せず、結局英語が唯一の共通の言語となります。

英語のみで会話しなければいけない、というのは、確かに日本語が母国語の私にはめんどくさい、と思うこともありますが、お互いに第二外国語で話をするのは、実はいいことなのではないか、とも思います。自分の言語だとついすらすらと出てくる為に言い過ぎてしまうことがあっても、英語だと言わないですませられる、ような気がする。これは、夫の両親にも同じことが言えるのではないかと思います。私は、義理の両親とは良好な関係を保っていると思うのですが、もちろん彼らがとても気持ちのよい、いい人たちであることも大きいですが、母国語だとついつい言ってしまう余計な一言を英語だと言わないですませられるため、お互い嫌な気持ちにならなくてすむ、という面もあるように思うのです。



また、外国人相手だとエクスペクテーションが違う。つまり、日本人だったら、こういうときはこうするのが普通、みたいな期待感があると思うのですが、外国人相手に日本人と同じ期待感は持てません。例えば、新しく買ったテレビやDVDのセッティングなど電子機器系統はなんとなく男性の役割みたいな感じがあるのですが、夫は「いまどきなにを20世紀みたいなことを言っているんだ。それくらい女の人だってできて当然」と言ってやってくれないので、私は仕方なく説明書を見ながら四苦八苦してなんとか配線をつなぎます。しかし同時に、女性の分野であると思われがちな家事や子育てはほぼ半々(子育ては半々、家事は私、夫で6:4くらいかと推量します)で折半していると思います。これは、文化や育った環境によるものもありますが、また個人によっても違います。ただ、日本人同士だと、個人の違いがハッキリ出たときに、「この人とは考え方や価値観が違うのかも」と思うところを、外国人だと「この人は外国人だから仕方ない」と(たとえその違いが実際は個人の違いに帰依することであっても)少し寛大な気持ちでその違いを受け入れられるような気がします。

私の場合大きいのは、夫が同業者である、ということです。これは本当に良し悪しだと思います。よい面は、お互いの研究や大学特有の労働環境などを、深く理解できることです。経済学のディスカッションが白熱しすぎて子供を迎えに行くのを忘れちゃった、なんてこともありました(もちろん気付いてすぐ迎えに行きましたよ!)。研究の助言をし合ったり、安心してキャリアについて相談できる相手が近くにいるのは心強いことです。しかし、こうしてついつい仕事の話ばかりになってしまうので、私たちの会話は子供のことと仕事のことで大部分が占められているような気がします。仕事とプライベートの境界線が曖昧になってしまうのが、同業者と結婚したダウンサイドでしょうか。

昔は「納豆が食べられない人とは結婚できない」などど思っていた頃もあったのに、気付いてみたら、納豆は匂いだけでもダメなノルウェー人と結婚することになるとは、人生わかりませんね。

2 件のコメント:

  1. おはようございます~!

    そうですね、うちもノルウェー人の旦那とは英語です。
    おまけにどちらの母国でもない第3国のフランスに
    住んでいるので マイナス面よりプラスが多い気がします。
    フランスの悪口を言っても 差しさわりありません(笑)

    さて、今度ノルウェーに帰る予定なので
    バランス面では どうなりますか?

    返信削除
    返信
    1. 私の夫は私と同じくらいかそれ以上にノルウェーでカルチャーショックを受けていたので、加代子さんご夫妻の場合も、案外フランスのときと同じようにノルウェーの悪口で盛り上がったりするかもしれませんよ(笑)

      削除