2012/03/01

身長のハンデ

私は背が低いです。150センチしかありません。日本でも昔から列の先頭でした。七夕の度に「背が高くなりますように」とお願いしたのに、結局叶わないままでした。そんな私がアメリカに渡ったとき、実はそこまで身長を意識しませんでした。もちろんアメリカでもチビでしたが、周りに背の低い人もたくさんいたからです。特にアジア人やヒスパニック系の人は(個人差もありますが)わりと小さい人もたくさんいました。また、大学院ではなぜか周りの日本人女子も背の低い人が多く、身長の低さと留学の間には何か相関関係があるのでは、と真面目に考えたほどです。

さて、夫は185センチです。日本やアメリカでは高いですが、ノルウェーではわりと普通です。ちょっとウェブで調べたら、ノルウェー人男性、女性の平均身長はそれぞれ179.9センチと167.2センチだそうです(ちなみに日本は171.2センチと158.8センチ)。ノルウェー男性は平均でほぼ180センチ、つまりこれを中心に標準分布しているわけです。なので、日本ではあまり見かけない190センチ台の人もけっこういます。女性だって平均で私より20センチも背が高いのです。そしてこの背高集団のなかに、ひとり150センチのわたしが混じっているわけです。背が高い人たち何人かと会話するとき、自分の頭の上で会話が行われているような感覚で少し会話に加わりにくいです。子供がぴょんぴょんジャンプをして大人の会話に入りたがっているみたいで、それが私の居心地を悪くさせるのでしょうか。この国では小学生だって私より背が高いのです。



また、わたしは実年齢より若くみられやすく(アジア人にありがちです)、未だに学生と間違われるので、背が低い、プラス若く見える、というコンビネーションで、生徒にナメられやすいのではないかと思うのです。別に生徒がいやがらせをするとか、そういうことではありませんが、例えば、こわい先生には言わないような、なよなよっ、とした愚痴(宿題が多いとか難しいとか)が、私相手には言えるとか。どうも、私はいまいちオーソリティーに欠けるのではないか。これは大学教授や研究者としては大きなハンデです。この職業は説得力がないと務まらないわけですから。そして、背が高く上から話しかけるのに慣れている人は自然にオーソリティーが備わりやすいのではないか。人間、下からより上から話しかけられた方が説得されやすいのではないか。

これは単なる背の低い者の被害妄想かもしれませんが、実際アメリカにいた頃、院生でクラスを教えているアジア人女子(女性+背低い+童顔)で話していたとき、他の要素を一定に保った場合、男性+背高い+大人顔の人と比べると自分達は生徒にナメられやすいのではないか、という観察でした。私だけではなく、女性+背低い+童顔というコンビネーションの持ち主は、オーソリティーを伴う立場にいた場合(先生とか)、同じように苦労があるようでした。

男性の場合はナポレオンコンプレックスなどど言いますが、女性にも当てはまるのでしょうか。もしかしたら、私たちのような背低い+童顔の人たちほどハンデをバネにして大きいことを成し遂げるのかもしれませんよ。というわけで、がんばれ、ノルウェーに住む背低い人たち!

0 件のコメント:

コメントを投稿