今は子供も大きくなって、ベビーカーを押したり、オムツを交換したりすることもなくなり、本当に楽になったな~、と感じます。昔と比べると、出かけるときの荷物の量が全然違います。昔は、ベビーカーはもちろんのこと、おむつバッグ(ちゃんと補充してあるのを確認!)には泣き出したときのためのおもちゃやら、スナックやら、飲み物やら、ベビーフードやら、げっぷ用の布やら、寒くなった時用の服やらが入り、さらに街歩き用にベビービョルン(抱っこ用)も持って、もう出かける前に疲れちゃうような装備でした。確かに今でも、出掛けというのはそんなにすんなりいくものではなく、出掛ける、というときになって子供たちは、お人形を持っていくとか、おなかがすいたとか、こっちの靴がいいとか、タイツはくのイヤとか、もっとテレビ見る、とかいろいろ言い出すので、その子供たちをなだめすかしたり、どなりつけたりしてなんとか時間通りに家を出るのはチャレンジではあります。それでも、やはり前よりは楽だと思うのです。
大きな理由のひとつは、やはりベビーカーです。どんなに改良されて軽くなったりしても、どうしたってそれなりに大きくなくてはならないわけで、車の乗り降りの度に閉じたり開いたりして面倒くさく、お店の中や建物の中では大変に邪魔っけ。かといって、ないととても困る。それでも、私はアメリカやノルウェーという比較的広い場所で子育てしてきたのと、普段車なので公共の交通機関にほとんど乗ることがない、という点でまだ楽だったのではないかと思います。それは、日本に帰郷中に東京などに滞在した際、あまりの大変さに愕然としたからです。まず、駅全部にエレベーターがついているわけではなく、あってもすごく歩かないといけないところしかなかったり、込んでいて乗れなかったりして、かなり不便でした。また、階段を使うにも、ベビーカーを持って荷物を持って子供も持って、となると、もう限界寸前です。だから日本ではおんぶしているママも多いのでしょうか。
ところで、ノルウェーでもアメリカでも、抱っこ紐(ベビービョルンなど)はあっても、おんぶ紐、というのは見た事がありません。場所があるからなのか、赤ちゃんは基本的にベビーカーに収まっていて、だいたい抱っこ紐を使うのはあまり見かけませんが、いたとしたらそれは前中心で、あってもスリングで脇にかかえている、とか。確かに、おんぶすると、両手が使えるから楽ですし、また、例えばレストランなどで子供がぐずったとき、ベビービョルンなどで前抱っこしながら食事をしようとすると、赤ちゃんの頭に食べ物がこぼれてしまわないように注意を払う必要がありますが、だっこだったらそんな気遣いは無用でしょう(でも、背もたれによりかかれませんが)。ノルウェーでもアメリカでも、ぐずった子供を片手で抱っこしながら食事の支度をしたりする光景を見かけますが、それだと片手しか使えないし、子供の体重を片手で支えないといけないので疲れます。それでもおんぶ紐でおんぶしないのは、なぜなのでしょうか。
2013/01/09
2013/01/01
クリスマス休暇終わり!
明けましておめでとうございます。忙しくて途切れがちなブログですが、今年もどうぞよろしくお願い致します!
日本ではやはりお正月がメインのこの時期かと思われますが、ノルウェーではお正月はあっさりしていて、大晦日に花火を打ち上げて盛大にパーティーをして、元旦に休んだらもう二日からは普通に仕事に行く人も多いようです。とはいえ、うちの子供の学校は今週いっぱいお休みなので、私たちは、たまった仕事を片付けるため、子供の通う学校で共働き夫婦のために有料で運営されているチャイルドケア(託児所みたいな感じでしょうか)に子供たちを預けて明日から仕事です。冬休み中にも仕事をする、という予定はまったく実行されずじまいでした。なぜなら、お正月はあっさりしていても、本命のクリスマスがあったからです。
子供たちにとっては「あーあ、もう終わっちゃった」と思われるクリスマスですが、大人たちは「やっと終わった」とほっと一息ついているところではないでしょうか。ノルウェー人はキリスト教国ということもあり、クリスマスは盛大です。ノルウェー人はクリスマス一ヶ月も前から準備に取り掛かります。家はクリスマス用に飾り立てられ、クリスマス用のクッキーをせっせと作ります。クリスマスのディナーに何を食べるかも決めないといけません。とはいえ、ノルウェー人のキリスト教に対する感覚はちょっと日本人の仏教に対する感覚に似ているようにも感じます。もちろん個人差はありますが、私の周りはあまり信心深い人はいないので、特にクリスマスに教会に行ったりもせず、単に大きなイベントとしてとらえられているように思います。日本では恋人同士で過ごすクリスマスも、欧米ではもっぱら家族で過ごすもので、反対に新年は友達や恋人と派手に祝う、という、日本とは逆の過ごし方です。しかし、日本同様、いえ、日本以上に、ノルウェーのクリスマスは商業化されています。
日本ではやはりお正月がメインのこの時期かと思われますが、ノルウェーではお正月はあっさりしていて、大晦日に花火を打ち上げて盛大にパーティーをして、元旦に休んだらもう二日からは普通に仕事に行く人も多いようです。とはいえ、うちの子供の学校は今週いっぱいお休みなので、私たちは、たまった仕事を片付けるため、子供の通う学校で共働き夫婦のために有料で運営されているチャイルドケア(託児所みたいな感じでしょうか)に子供たちを預けて明日から仕事です。冬休み中にも仕事をする、という予定はまったく実行されずじまいでした。なぜなら、お正月はあっさりしていても、本命のクリスマスがあったからです。
子供たちにとっては「あーあ、もう終わっちゃった」と思われるクリスマスですが、大人たちは「やっと終わった」とほっと一息ついているところではないでしょうか。ノルウェー人はキリスト教国ということもあり、クリスマスは盛大です。ノルウェー人はクリスマス一ヶ月も前から準備に取り掛かります。家はクリスマス用に飾り立てられ、クリスマス用のクッキーをせっせと作ります。クリスマスのディナーに何を食べるかも決めないといけません。とはいえ、ノルウェー人のキリスト教に対する感覚はちょっと日本人の仏教に対する感覚に似ているようにも感じます。もちろん個人差はありますが、私の周りはあまり信心深い人はいないので、特にクリスマスに教会に行ったりもせず、単に大きなイベントとしてとらえられているように思います。日本では恋人同士で過ごすクリスマスも、欧米ではもっぱら家族で過ごすもので、反対に新年は友達や恋人と派手に祝う、という、日本とは逆の過ごし方です。しかし、日本同様、いえ、日本以上に、ノルウェーのクリスマスは商業化されています。
2012/12/13
ビバ IKEA?
IKEAにはシアトルでの学生時代からお世話になっています。カリフォルニアに引っ越してからも、それは変わりません。その後コロラドに引っ越した時には近くにIKEAがなく、「一体どこで家具を買えばいいの?」と途方に暮れたのを覚えています。もちろん、コロラドに住んでいる人だって家具を買っているわけで、家具屋さんは当然あるのですが、学生時代は家具と言えばセカンドハンドで安く買ったものか、IKEA で、となんとなく決まっていたので、卒業してもその感覚が抜けなかったようです。
IKEAの魅力はやはり何といっても、その安さとデザイン性ではないでしょうか。「こんなに可愛いものがこんなに安く!?」と、初めてIKEA に行った時は大変驚いたものです。また、上の階のディスプレーセクションはIKEAの家具や品物の「使い方例」を示して客にインスピレーションを与え、下の階には雑貨と倉庫、という大変ウマいやり方をしていて、しかもそのほとんどを回らないと出口にたどり着けない仕組みになっていて、買うつもりのなかったものまでついつい手を出してしまうという始末です。しかし、アメリカに住んでいた頃は、IKEAは近くにはありませんでした。少なくとも車で一時間かかる距離にあり、「ちょっとIKEAまで」というよりは、「今日はIKEAに行くぞ!」という心持ちでした。特にシアトルに住んでいる時は車を持っていなかったので、車を持っている友達に便乗してやっとIKEAに行くことができる、という状態でした。
その後ノルウェーに引っ越して来て、IKEAはノルウェーの人にとって、かなり身近な存在であることを知りました。まず、立地。スタヴァンゲルでは、中心街からでも車で10分。もちろん広い駐車場つき。私たちなどはIKEAは通勤の途中にあり、毎日IKEAの横を通って仕事に行きます。そして、デザイン。IKEAはお隣のスウェーデンが本社なので、デザインはスカンジナビアンで、ノルウェー人の感性とも一致します。そして、もちろん値段。物価の高いノルウェーでは、機能的なものを安く買えるIKEAはやはり心強い存在です。こにらに引っ越してきたばかりの頃、何軒かのお家を訪問したとき、どのお宅でも同じグラスを使っていて、「これは一体どういうこと?もしかして政府配給?」なんて思ったら、なんとIKEA製。そう、IKEAはそのくらいノルウェーでは普及しているのです。
IKEAの魅力はやはり何といっても、その安さとデザイン性ではないでしょうか。「こんなに可愛いものがこんなに安く!?」と、初めてIKEA に行った時は大変驚いたものです。また、上の階のディスプレーセクションはIKEAの家具や品物の「使い方例」を示して客にインスピレーションを与え、下の階には雑貨と倉庫、という大変ウマいやり方をしていて、しかもそのほとんどを回らないと出口にたどり着けない仕組みになっていて、買うつもりのなかったものまでついつい手を出してしまうという始末です。しかし、アメリカに住んでいた頃は、IKEAは近くにはありませんでした。少なくとも車で一時間かかる距離にあり、「ちょっとIKEAまで」というよりは、「今日はIKEAに行くぞ!」という心持ちでした。特にシアトルに住んでいる時は車を持っていなかったので、車を持っている友達に便乗してやっとIKEAに行くことができる、という状態でした。
その後ノルウェーに引っ越して来て、IKEAはノルウェーの人にとって、かなり身近な存在であることを知りました。まず、立地。スタヴァンゲルでは、中心街からでも車で10分。もちろん広い駐車場つき。私たちなどはIKEAは通勤の途中にあり、毎日IKEAの横を通って仕事に行きます。そして、デザイン。IKEAはお隣のスウェーデンが本社なので、デザインはスカンジナビアンで、ノルウェー人の感性とも一致します。そして、もちろん値段。物価の高いノルウェーでは、機能的なものを安く買えるIKEAはやはり心強い存在です。こにらに引っ越してきたばかりの頃、何軒かのお家を訪問したとき、どのお宅でも同じグラスを使っていて、「これは一体どういうこと?もしかして政府配給?」なんて思ったら、なんとIKEA製。そう、IKEAはそのくらいノルウェーでは普及しているのです。
2012/12/09
新居に新家電
新居に引っ越してからもうすぐ一ヶ月経ちますが、やっと荷物の整理も一段落して少し落ち着いてきた今日この頃です。理由のひとつには、お店に私たちが選んだ冷蔵庫の在庫がなく、3週間も待って、やっと先週配達されてきたのです。一緒に買った洗濯機と乾燥機も一緒に配達されてきたため、結局冷蔵庫、洗濯機、乾燥機のないまま3週間生活する羽目になったのです。いったいどうやってこれらの家電のないまま3週間も生活したのか。さすがに冷蔵庫がないのは困るので、小さい冷蔵庫(ホテルのミニバーについてくるようなやつ)を購入して、それを使っていました。家族4人でミニバーサイズの冷蔵庫はさすがに辛いので、野菜などは玄関の外に出して天然の冷蔵庫。それでも冷蔵庫はミルク、たまご、それにちょっとしたお肉などを入れたらもういっぱいいっぱいでした。そして、洗濯。幸い前に借りていた家の契約が11月いっぱい残っていたので、借家に洗濯をしに通いました。そうはいっても、そんなに頻繁にも行っていられないのと、ノルウェーの洗濯機・乾燥機はやたらに時間がかかるので(洗濯に2時間半、乾燥に4時間なんてことも!アメリカの倍以上の時間がかかる!)、2,3日に一回洗濯するのがやっとでした。
その反面、新居に入れた家電は高級品とはいわないまでもそれなりに良いものを選びました。まず、レンジトップ(って言うのでしょうか。おなべを火にかけるところです)。日本の方には今さら、思われるかもしれませんが、我が家もやっとインダクションを導入しました(日本で言うIH)。これがまた、素晴らしい!お湯もあっという間に沸くし、掃除も超簡単。また、オーブンと一体型でなおかつキッチンのカウンタートップと一緒になっているので、変な隙間などがなく、掃除も楽です。食器洗い機はそんなに変わりませんが、一体型なのであまり外から目立たないのと、静かなのがグー。レンジも一体型のものを選択して棚に収まっているので、背が低い私にはすこし大変ですが、それでもレンジにカウンタースペースをさく必要がないので、狭いキッチンにはありがたいです。
その反面、新居に入れた家電は高級品とはいわないまでもそれなりに良いものを選びました。まず、レンジトップ(って言うのでしょうか。おなべを火にかけるところです)。日本の方には今さら、思われるかもしれませんが、我が家もやっとインダクションを導入しました(日本で言うIH)。これがまた、素晴らしい!お湯もあっという間に沸くし、掃除も超簡単。また、オーブンと一体型でなおかつキッチンのカウンタートップと一緒になっているので、変な隙間などがなく、掃除も楽です。食器洗い機はそんなに変わりませんが、一体型なのであまり外から目立たないのと、静かなのがグー。レンジも一体型のものを選択して棚に収まっているので、背が低い私にはすこし大変ですが、それでもレンジにカウンタースペースをさく必要がないので、狭いキッチンにはありがたいです。
奥にあるのがインダクションのレンジトップ。その下についているのがオーブン。カウンタートップと一体になっているのが分かるでしょうか。上についているのがオーブンレンジ。 |
2012/11/25
期末テストは重労働
またしてもご無沙汰しております。毎日なにかと忙しく、なかなかブログに向かう時間もエネルギーもない日々が続いているところです。何かというと、今ちょうど期末テストの時期なのです。ノルウェーの大学は基本的に期末試験で成績が決まります。アメリカの大学では中間や期末試験に加えて、出席や宿題も成績にカウントされることが多かったので、そういう意味で、リスクがばらけていた分少し気が楽だった気がしますが、ノルウェーの学生は、学期中どんなにがんばっていても、期末試験がダメだったら成績はダメなので、鬼気迫るものがあります。また、今までだらけていてちゃんと宿題などとやってこなかった生徒は、今必死に追いついているところで、そういった理由で私のオフィスには質問にくる学生が急に増え、質問のメールも毎日送られてきます。
アメリカから引っ越してきた頃は、アメリカ式に成績が中間・期末・宿題、といろいろな要素から決まるシステムにしようと思ったのですが、ノルウェー人の同僚に「それはやめたほうがいい」と忠告を受けました。なぜかというと、ノルウェーでは、学生は成績がつけられたもの(テストであれ、宿題であれ)に対して異議を申し立てる権利があるのです。それも、アメリカ式に、先生に直接「どうしてこの宿題の成績ははBなんですか?」と直接聞くのではなく、「意義申立書」とでもいいましょうか、そういう書類を大学に提出するのです。その書類が提出されると、成績をつけた職員のもとに、なぜそういう成績になったのか説明を求める書類が届きます。それに対して、職員は成績の説明を提示し、また大学に提出します。それに対して学生が納得すればそれで終わりですが、そこで納得のいかない学生は、さらに異議を申し立てることができます。その場合、職員は学部の内部・外部から一人づつ審判(?)を指名し、成績が公正であったかどうかの判断が下されます。
ものすごく面倒くさいシステムですが、これは学生の権利とされているので、そう簡単に廃止するわけにもいかないのでしょうか。私も何度か期末テストの成績ででこれらの異議申し立てを受けたことがあります。いまのところ、私のつけた成績が覆されたというケースはありませんが、これを宿題を出す度にやっていては仕事になりません。そういうわけで、クラスでは宿題を出しますが、提出は義務付けていませんし、添削もしません。そのかわり、詳しい解答を配布します。このシステムだと、やる気のある生徒は自分で勉強できますが、あまりやる気がなかったり、仕事を持っていて忙しい学生などは、結局最後の最後まで勉強しない、ということになってしまいます。もっと中間テストなどを入れて、半ばでチェックが入るようにしようにも、面倒くさいシステム上そういうわけにはいかないのです。
アメリカから引っ越してきた頃は、アメリカ式に成績が中間・期末・宿題、といろいろな要素から決まるシステムにしようと思ったのですが、ノルウェー人の同僚に「それはやめたほうがいい」と忠告を受けました。なぜかというと、ノルウェーでは、学生は成績がつけられたもの(テストであれ、宿題であれ)に対して異議を申し立てる権利があるのです。それも、アメリカ式に、先生に直接「どうしてこの宿題の成績ははBなんですか?」と直接聞くのではなく、「意義申立書」とでもいいましょうか、そういう書類を大学に提出するのです。その書類が提出されると、成績をつけた職員のもとに、なぜそういう成績になったのか説明を求める書類が届きます。それに対して、職員は成績の説明を提示し、また大学に提出します。それに対して学生が納得すればそれで終わりですが、そこで納得のいかない学生は、さらに異議を申し立てることができます。その場合、職員は学部の内部・外部から一人づつ審判(?)を指名し、成績が公正であったかどうかの判断が下されます。
ものすごく面倒くさいシステムですが、これは学生の権利とされているので、そう簡単に廃止するわけにもいかないのでしょうか。私も何度か期末テストの成績ででこれらの異議申し立てを受けたことがあります。いまのところ、私のつけた成績が覆されたというケースはありませんが、これを宿題を出す度にやっていては仕事になりません。そういうわけで、クラスでは宿題を出しますが、提出は義務付けていませんし、添削もしません。そのかわり、詳しい解答を配布します。このシステムだと、やる気のある生徒は自分で勉強できますが、あまりやる気がなかったり、仕事を持っていて忙しい学生などは、結局最後の最後まで勉強しない、ということになってしまいます。もっと中間テストなどを入れて、半ばでチェックが入るようにしようにも、面倒くさいシステム上そういうわけにはいかないのです。
2012/10/29
ノルウェーのためなら
昨日テレビをつけたら、たまたまやっていたのが「Alt for Norge」という番組。直訳すると All for Norway。これは、ノルウェーのリアリティー番組で、10人ほどのアメリカ系ノルウェー人をノルウェーに招待し、毎週いろいろ競争させ(毎週ひとりアメリカに帰されることになっています)、最後に勝ち残った人がノルウェーの親戚に対面できる、という番組。この番組の趣向は、ノルウェー系アメリカ人というコンセプトを理解して初めて納得いくものです。ノルウェーは石油が発見されるまでは歴史を通してとても貧しい国だったそうで、よりよい暮らしを求めて沢山のノルウェー人が外国に渡りました。どのくらい沢山かというと、現在ではノルウェーに住むノルウェー人よりノルウェー以外の国に住むノルウェー系の人たちの方が数が多い、というくらい沢山です。その中でも沢山の人がアメリカに向かいました。私が住んでいたシアトルやカリフォルニアにもノルウェー系の人たちのコミュニティーがあったり、スカンジナビア系の食料品店があったりしましたが、特にノルウェー系の人が多くて有名なのはミネソタでしょうか。せっかくアメリカに渡ったのだから、もっと暖かくて気候の良いところに定住すればいいのに、なぜわざわざミネソタに?と私などは思ってしまうのですが、ミネソタの気候がより祖国に近かったからでしょうか(ミネソタの冬は寒くて有名です)。
さて、これらのノルウェー系アメリカ人たちは、人にもよるでしょうが、ノルウェーに対してとてもノスタルジックな感情を抱いていて、一度はノルウェーを訪れてみたい、と思っているようです。これはきっと、どの移民にも共通していることでしょうが、この感情は私のような移民第一世代の者には完全には推し量れないのではないかと思います。私は日本で生まれ育ち、日本についての直接的な知識も経験もあり、また、ちょくちょく日本に帰っています。もちろん日本を懐かしく思ったりしますが、それは第二世代以降が感じるであろう感情とは違うと思います。第二世代以降にとって祖国は大部分、直接の体験よりも又聞きの間接的な情報によるわけです。自分のルーツがそのような間接的な情報によってなっている、という状態は一体どういうものなのでしょうか。だいたい、日本にいる日本人は「自分のルーツ」なるものに対してわりと無頓着であるように思いますが、移民で構成されているアメリカ人にとって、自分のルーツや家族の歴史というものは、特別な意味を持つようです。そしてそれは、アメリカ系のノルウェー人にもいえることです。
さて、これらのノルウェー系アメリカ人たちは、人にもよるでしょうが、ノルウェーに対してとてもノスタルジックな感情を抱いていて、一度はノルウェーを訪れてみたい、と思っているようです。これはきっと、どの移民にも共通していることでしょうが、この感情は私のような移民第一世代の者には完全には推し量れないのではないかと思います。私は日本で生まれ育ち、日本についての直接的な知識も経験もあり、また、ちょくちょく日本に帰っています。もちろん日本を懐かしく思ったりしますが、それは第二世代以降が感じるであろう感情とは違うと思います。第二世代以降にとって祖国は大部分、直接の体験よりも又聞きの間接的な情報によるわけです。自分のルーツがそのような間接的な情報によってなっている、という状態は一体どういうものなのでしょうか。だいたい、日本にいる日本人は「自分のルーツ」なるものに対してわりと無頓着であるように思いますが、移民で構成されているアメリカ人にとって、自分のルーツや家族の歴史というものは、特別な意味を持つようです。そしてそれは、アメリカ系のノルウェー人にもいえることです。
2012/10/11
「ムラカミ」のちから
日本で「ノルウェーに住んでいます」と言うと、「ノルウェーってどこでしたっけ?」とか、「ああ、ボルボ(もしくはノキア)で有名ですよね」などの返答が返ってきて、「ノルウェーは北欧です」とか「それはスウェーデン(もしくはフィンランド)です」とか答える度に、ノルウェーは日本人には知られていないなあ、という事実を確認します。では、その反対はどうか、というと、ノルウェー人も、日本のことをそんなによくは知らないのです。タイくらいまでなら、バケーションで行ったり、近所にタイ人が住んでいたりして知っているようですが、その先の東アジアとなると、まだまだ未知の領域であるようです。
そんなノルウェー人にとって、日本と言ってまず思い浮かぶのはおそらくトヨタやソニーなどの日本の有名メーカではないでしょうか。日本車はノルウェーでも人気ですし、日本の会社の電気製品もよく見かけます。また、この頃スタヴァンゲルでもやっと寿司が定着しつつあり、普通のスーパーでもパックのお寿司が並び(美味しくないけど)、寿司用のネタ(といってもサーモンのみ)や、わさび、甘酢漬けのしょうがなどを見かけるようになりました。
しかし、ソニーや寿司以外に、「日本」と言ってノルウェー人の心に浮かぶようになったもの、それは「ムラカミ」。もちろん作家の村上春樹さんのことです。私が「日本人です」と言うと、「僕はムラカミが大好きなんだ」とか、「私はムラカミのファンなの」と言ってくる人がたくさんいます。私もファンなので、それでムラカミの話で盛り上がったりするわけですが、彼らは私より熱心にムラカミの本を読んでいたりします。ムラカミ好きがきっかけで日本に行った、留学した、という話もきくほどです。同僚の友人のノルウェー人女性は、日本に行ったばかりでなく、その体験をもとに小説を書いて本まで出しちゃったそうです。
そんなノルウェー人にとって、日本と言ってまず思い浮かぶのはおそらくトヨタやソニーなどの日本の有名メーカではないでしょうか。日本車はノルウェーでも人気ですし、日本の会社の電気製品もよく見かけます。また、この頃スタヴァンゲルでもやっと寿司が定着しつつあり、普通のスーパーでもパックのお寿司が並び(美味しくないけど)、寿司用のネタ(といってもサーモンのみ)や、わさび、甘酢漬けのしょうがなどを見かけるようになりました。
しかし、ソニーや寿司以外に、「日本」と言ってノルウェー人の心に浮かぶようになったもの、それは「ムラカミ」。もちろん作家の村上春樹さんのことです。私が「日本人です」と言うと、「僕はムラカミが大好きなんだ」とか、「私はムラカミのファンなの」と言ってくる人がたくさんいます。私もファンなので、それでムラカミの話で盛り上がったりするわけですが、彼らは私より熱心にムラカミの本を読んでいたりします。ムラカミ好きがきっかけで日本に行った、留学した、という話もきくほどです。同僚の友人のノルウェー人女性は、日本に行ったばかりでなく、その体験をもとに小説を書いて本まで出しちゃったそうです。
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