2012/05/13

自転車でエクササイズ

日本で自転車というと、ちょっとそこまで行くのに、という感覚でなはいかと思うのですが、ノルウェーで自転車というと、もっとスポーツとしての自転車競技が思い起こされるように思います。見かける自転車も、日本によくある、前に籠がついているような自転車はあまり見たことがありません。もっと、スポーツ仕様で、前のめりになって乗るタイプです。また、ヘルメットの着用が義務付けられているので、普通の「ちょっとそこまで」という服装で自転車に乗ると、どう見てもヘンです。だからなのか分かりませんが、道行く自転車の人たちはみんな自転車用の服を着ています。あの、ツール・ド・フランスなどで見るような体にぴったりしたやつです。そうでなければトレーニングスーツみたいなのを着ていて、そう、まさに「トレーニング」の様相です。

サイクリングというものは、ノルウェーではとても人気があるようです。たくさんの人がエクササイズの一環としてサイクリングしているようですが、特に高学歴・高収入の中年男性の間で人気があるそうです。理由のひとつは、本気でサイクリングするような自転車はすごく高いからでしょうか。下手したら中古車一台買うような値段です。さらに、サイクリング用のスーツ、ヘルメット、靴、手袋、サングラス、などなど、サイクリング用品が必要になる上に、自転車整備用のツールなどまで揃えたらかなりの出費です。

私が今住んでいる家は丘(というか、山)の上にあり、道路も整備されていて広く、山をぐるっと一回りするようなループになっているので、自転車のトレーニングをしている人をよく見かけます。しかし、登りはハンパではありません。私は、下の娘の育休中できるだけ毎日散歩に行くことを自分に課していたので、そのループをよく散歩していたのですが、ベビーカーを押して歩いて一周45分くらいかかります。そして、家に帰るころには、もう汗だく。トレーニングしている人たちは、そのループを自転車で登ったり下ったりしているわけです。

また、サイクリングのサークルのようなものもあるようで、グループでぞろぞろと自転車をこいでいる男性たちの姿もよく見かけます。なぜ、男性なのか、よくわかりませんが、有名な自転車レースなどを見ていても、男性ばかり。自転車には男のロマンというものがあるのかもしれません。

2012/05/11

子供と日本語

たまにスタヴァンゲル在住の日本人のお母さん達に会う機会があります。みなさんノルウェー人と結婚してここに住んでいるので、子供はみんな日ノルのハーフです。こうして日本語を話す機会があるのは、私にとってもリフレッシングであり、また、子供たちにとっても、数少ない日本語の会話を耳にするチャンス。そして、もしかして日本語で会話してくれるかも、なんていう期待もしているのですが、なかなかそううまくもいきません。

うちの娘以外の子供たちはみんなノルウェーの学校や幼稚園に行っているのがほとんどです。幼稚園は英語ノルウェー語両方のところに行っている子もいますが、小学校からはノルウェーの学校に行くようです。それは当然といえば当然で、ノルウェーでは大多数の子供たちが公立学校に通うので、普通にノルウェーで生活していたらノルウェーの学校に行くのが当たり前です。なので、私が会ったことのある日本人とノルウェー人のハーフの子は、ほとんどノルウェー語が第一言語です。もちろんノルウェーでは小学校1年生から英語を習うので、みんな最終的には英語が話せるようになると思いますが、小学校入学前や低学年の段階では、英語はあくまでも第二言語で、そんなに上手くは喋れないようです。

一方、ウチの子供たちの場合、英語とノルウェー語、どちらが母国語なのか、私にもよくわかりません。毎日学校で英語を喋っている分英語が話しやすいようですが、ノルウェー語も別に問題なく使っています。ノルウェーに住んでいて、自然に耳に入ってくるのと、夫や夫の家族とのコミュニケーションからくるのでしょうか。確かなのは、彼女たちの母国語は日本語ではない、ということです。

ウチでは、子供たちは「ママはノルウェー語が下手」というのを知っているので、私にノルウェー語では話しません。同時に、「ママは英語が話せる」というのも知っているので、日本語でも話してくれません。なので、先日日本人の研究者の人が来ていたとき、「彼は日本語しか喋れないから、日本語で話してあげてね」と言って日本語で会話をさせようとしたのですが、彼が夫と英語で喋っていたため、ウソは早速見抜かれてしまい、「He CAN speak English!」と言って、それからは英語でしか喋ってくれませんでした。まあ、ちょっとムリがあったかな。

2012/05/09

「先生の話をきく」という能力

上の娘が行っているダンスのクラスは5、6歳、バレエのクラスは6,7歳を対象にしています。先日バレエの方の授業参観がありました。普段のレッスンは保護者立ち入り禁止で一体どんなことをしているのか分からないので、授業参観に行ってやっと、ああ、こんなことをしてたんだ、とレッスンの内容を知ることになります。私は自分ではバレエを習ったことがないので、6,7歳のレベルでどんなことをするのか全く分かりませんが、行って見た感想は、「もうちょっとビシバシいってもいいんじゃないの?」、というものでした。この年ではまだ「踊る楽しさ」を発見するのが優先、ということなのかもしれません。しかし、一応第一ポジション、第二ポジション、などとバレエの基礎をやっていましたが、なんというか、あまい。子供たちのポーズは「見よう見まね」程度のもので、細かいところまでチェックが入っていないのは、素人の私の目から見ても明らか。そして、残念なのは、先生が「もう少しこうやって」「背筋を伸ばして」みたいな、ちょっとした指導をしてあげたら、みんなもっと格段に上手になるだろうに、と思ったからです。

しかし、「厳しい指導」というものは、ノルウェーではあまり歓迎されないのかもしれません。「それじゃあ子供が可哀想」というセンチメントがあるように思います。また、厳しい指導についてくる「競争」や「優劣」みたいなものも、ノルウェーでは、少なくとも小学生のレベルではタブーのようです。上手になることより、あくまでも、みんな一緒に楽しく、というのがモットー。また、ノルウェーの子供たちはおそらく厳しい指導というものに慣れていないので、そんな指導を受けたら即親に報告して、親から先生に苦情が来るかもしれません。

また、よく聞くのは、ノルウェーの子供たちは先生に対する敬意というものがない、という話です。ウチの娘達は英国学校に通っているので、私は実際にノルウェーの幼稚園や小学校というものに触れた経験がないのですが、ダンスのクラスに来る子供たちとその親にその片鱗を見たような気がします。

まず、クラスに平気で遅れてくる。そして、学期の初めに、「レッスンの前にトイレを済ませておくように」と注意を受けているはずなのに、ちゃんと守らないので、毎回必ず何人か「トイレ~」と言ってレッスン中に出てきます。その度に先生は、レッスンを中断してその子をスタジオの外に出さないといけません。また、これは先生からチラッときいた話ですが、子供たちは、先生の話をちゃんときかない。そして、先生の話をきいていなければ、何をするのか分からない。上達もしない。

もちろん、これは一部の話であって、みんながそうだ、というわけでわありませんが、そういう一部の子供たちの態度がクラス全体のダイナミックスに影響するものです。それは、大学生を教えていても感じることです。全員とはいいませんが、似たような若者は大学にも沢山います。そして、そういう態度はクラス全体に伝播して、全体的にあまり先生の話に注意を払わない雰囲気というものが生まれてくることがあります。そして、一度そうなってしまうと、元に戻すのは難しいのです。

2012/05/06

天気の良い日曜の午後には

このところ、変な天気が続いています。晴れて気持ちいいな~、なんて思っていると、その5分後に雪やあられが降ってきたり。また、家の中から外を見ると晴れているので、ぽかぽかしているのかと思いきや、外に出てみると「寒っ」。それも、ちょっと肌寒い、なんてものではなく、5度とか6度とか、5月とは思えない寒さです。しかし、どんなに寒くても、日が照っていると、なんとなく外に出て何かしなくては、と思うのは、やはり、これを逃したら次いつ太陽を見られるかわからない、という北欧の天気のせい。特に、週末には、やはり子供たちを連れて外で何かしにいかないと、という、強迫観念にも似た気持ちが湧いてきます。ノルウェーでは、子供を外で遊ばせてあげないと可哀想、みたいな社会通念があるからです。特に天気の良い週末に子供を外にだしてあげないなんて、悪い親の見本みたいな感じです。

というわけで、「どこに行きたい?」と娘にきくと、ロンドンから帰ってきてからすっかりミュージアム好きの上の娘は、動物の剥製やら骨やらが並んでいるスタヴァンゲルミュージアムに行きたい、と言うのですが、ちょっと前に行ってきたばかりなのと、私が個人的にあまり好きでない(怖い!)ので、どこか他のところに行こう、ということで、ウトステインという僧院に行くことにしました。この僧院は中世に建てられた僧院だそうで、今はミュージアムとして一般公開されています。スタヴァンゲルからすこし離れた島にあるのですが、海底トンネルでつながっているので、フェリーなしでそのまま車で行けるので便利ですし、そっちの方面にはあまり行ったことがないので、ドライブもかねて行ってみることにしました。

友人のノルウェー人夫妻も誘って、スタヴァンゲルからのどかな農業地帯を抜けて、だいたい30分くらいで到着。友人夫妻はもう何度か来た事があるそう。それも、そこで催されたパーティーに行ったそうです。ミュージアムの他にプライベートで貸切もできるのだとか。さらに、お化けが出る、というウワサもあり、そう言われてみれば、ちょっとスプーキーな雰囲気です。そういえば、さっきまで晴れていた空も、なんとなく暗~くなってきました。娘に「ここはお化けが出るんだって。もしかしたらお化けに会えるかもしれないね。」と言うと、娘は半分怖そう、半分嬉しそうな顔で「ほんと~?!」


お化けが出そう?

中庭。ちょうど雪も降り始めてきました。

2012/05/04

そんなんでいいの!?

今日は金曜日。そして、(珍しく)とってもいいお天気。ちょっと軽い足取りで家を出て、学校・職場に向かうべく車を運転していると、なんだかいつもよりすいすい進みます。道路が格段にすいているのです。いつもなら渋滞で、20分くらいかかる道のりが、10分で着いてしまいました。そして、職場に行くと、駐車場も、かなり場所が空いています。いつもなら、やっとスペースを見つけるくらい混んでいるのに。

ランチタイムにも、人があまりいません。いつもなら、テーブルの周りいっぱいに人がいるのに、今日はぱらぱら。博士課程のメキシコ人学生が「今日なにかセミナーでもあったっけ?」と私にきいてきたのは、私たちノルウェー語良く分からない組は、たまにアナウンスメントなどを逃してしまい、みんなが知っていることを知らないでいることがあるからです。後から来たノルウェー人同僚にきいても、別になにもないと思う、とのこと。どうやら、金曜日で天気がいいために、みんな仕事に来ていないようだ、という結論に達しました。そんなんでいいの!?とはいっても、私たちの仕事はフレキシブルなので、家で仕事をしていたり、また、今日は休んで明日仕事、など、わりと自由に時間をずらすことが可能なので、みんながさぼっている、と言っているわけでもありません。実際片道1時間半かけて通勤している同僚は、月曜日と金曜日は原則職場に来ませんが、その分家で仕事をしています。

この、金曜日仕事に行く人が少ない、というのは、実はわりと毎週のことです。それは、朝の道路の渋滞状況からはっきり分かります。金曜日はいつもより確実に道がすいていますし、職場の駐車場も空きのスペースが沢山あります。ただ、今日は金曜日にプラスしてお天気もよかったので、いつもよりさらに仕事に行く人が少なかった模様。

2012/05/02

ノルウェー人と日焼け

日本はゴールデンウイークですが、ノルウェーでも学校が、月、火とお休みだったので、連休だった人もたくさんいたと思います。

さて、そうして連休明けの今日職場に来てみたら、やけにみんな日焼けしています。同僚の一人は、サングラスのあとまでくっきり。他の同僚も「一日庭で日光浴していたら、こんなに日焼けしちゃった」と言っていました。どうやら、週末お天気が良かったので、みんな外で過ごしたため、日焼けしてしまったようです。ノルウェー人、また、他のヨーロッパ人もそうかもしれませんが、みんな日焼け好きのように思います。もちろん個人差はありますが、概して適度に日焼けしていた方が良い、と思われているようです。

これは、バケーションと関係があるのでしょうか?つまり、天気の悪いノルウェーにいたらなかなか日焼けできないけれど、南にバケーションに行けばこんがり日焼けして帰ってくるのがお約束。そういう意味で、日焼けはスタータスシンボルなのかもしれません。また、健康のため、という理由もあるかと思います。日照時間が短い北欧の冬は、ビタミンD不足になりがちなので、太陽が出ていたら、当たってビタミンを作るべし、ということになっています。また、アウトドアアクティビィティー好きのノルウェー人は、外にいる分、日にも焼けやすいことでしょう。

しかし、はっきり日焼けの努力をしている姿も見て取れます。例えば、晴れて天気の良い日の庭の芝刈り(もちろん機械で)などは、男性なら上半身裸、女性なら上はビキニ、などで行っているのも見かけます。また、庭で日光浴するのもよくあることです。確かに、北欧に住んでいると、太陽が出たとき、次にいつ出て来るか分からないので、「今当っておかないと」みたいな気持ちはありますし、太陽が肌にあたる心地良い暖かさは、そんな経験をする機会が少ない分、大変貴重で、幸せに感じます。しかし、それは別に服を着ていてもできるわけですから、やはり服を着ないでやっている場合は日焼け目的ということではないでしょうか。

2012/05/01

プレイケストーレンに登ってきました

先週は、オスロの北にあるオース(Ås)の大学でリサーチフェローをしている若い日本人の研究者の人が来ていました。セミナーで発表してくれるようにお願いしてきてもらったのですが、個人的にも知り合いなので、セミナーが終わったあともそのまま残ってもらったのです。彼と始めて会ったのはコロラドにいた頃です。私たちはコロラド州立大学に勤めていたのですが、同じくコロラドにある、コロラド大学でポスドクをしていたのが彼です。環境経済学者、ということで、分野も重なるし、また、夫の研究分野と同じなので、コロラドでも何度か会ったのですが、その後学会で会ったとき、ノルウェーの大学で働くことになった、ときいたのが、もう二年ほど前でしょうか。その後、何度もスタヴァンゲルに招待しようとしたのですが、「なぜ明日できることを今日する必要があるのか?」となんでも先送りにする習性のある夫に任せていたため、全く進展がないので、とうとう私がイニシアティブを取り、今回の招待に至ったわけです。

最初にスタヴァンゲルにおいでよ、と招待した頃から彼が行ってみたいと言っていたのがプレイケストーレン。リーセフィヨルドから600メートルほど垂直に上がった崖です。その崖の上が平らになっていて、その姿が司祭が説教する台のようだ、と、「Pulpit Rock」の英語名がついています。スタヴァンゲルエリアでは、一番の観光名所です。もちろん、そのまま崖を登ることはできないのですが、後ろから回っててっぺんに行くことはできます。一応目安は片道2時間のハイク、ということになっていますが、普通の人は1時間半くらいで登れるようです。一週間前に夫がアメリカ人の同僚を連れて行ったときは、まだ雪が少し残っているものの、問題なし、ということで、土曜日に彼とふたりで行く予定になっていました。しかし、そこはノルウェーのこと。どんな天気になるかわかりません。一応天気の様子を見て、あまり激しい雨などだったら中止にしよう、と思っていたのですが、当日はなんと、ぴっかりいい天気!暑くも無く、まさにハイキング日和です。

私はプレイケストーレンに登るのはこれで二度目になります。始めて登ったのは、まだノルウェーに引っ越す前。もう、7年も前になるのでしょうか。そのときは登り切ったものの、けっこうキツかったのを覚えています。また、一緒に行った夫(当時の彼氏)のお母様はすいすい登っていて、さすがノルウェーの人は足腰が強いなあ、と感心したのを覚えています。

夫は娘達を連れて映画を見に行くと言うので、彼らを中心街で降ろし、日本人ふたりはフェリーに乗ってプレイケストーレンの入り口に向かいました。入り口の駐車場に車を止めて、いざ!でも、駐車場の時点ですでに素晴らしい景色。もうこれで満足して帰ろうか、なんていう話も出ましたが、がんばって頂上を目指します。

登り口。この時点ですでにそれなりの高さです。
2+2t とは、目安として行きに2時間、帰りに2時間みよ、ということ。