2012/06/04

子供の国際交流

夏は毎年日本にひと月ほど帰るようにしています。子供の学校が6月の半ばから8月の半ばまで丸々2ヶ月閉まってしまうのですが、もちろん仕事はそんなに長く休めないので、それならいっそ日本の学校に通わせれば、日本語の勉強にもなるし、日本の人や生活に触れられていい機会であると考えたからです。そうやって夏にまとめて日本に帰るようになって今年でもう4年目です。去年は娘たちふたりとも、3週間ほど幼稚園に通わせてもらいました。

始めての年は、まず受け入れてくれる幼稚園を探すところから始まりました。とはいっても、私の地元は新潟の田舎。日本語もちゃんと話せない子供を受け入れてくれる場所があるか心配でしたが、地元の幼稚園の情報をネットで調べたところ、なんとスウェーデン人の先生のいる幼稚園を見つけたのです。スウェーデン人の先生は英語を園児に教えているようでした。どうやら、国際交流に力を入れている幼稚園らしく、しかもスウェーデン人の先生なら英語でもノルウェー語でもいけるからちょうどよい、とさっそく母親に問い合わせてもらったところ、快く承諾してくださいました。

そうして、思ったよりスムーズに娘の受け入れ先の幼稚園も決まり、上の娘はそれから3年間お世話になったわけです。下の娘も去年からお世話になっており、今年もまた同じ幼稚園に通う予定です。しかし、上の娘は今年から小学校。幼稚園のようにすんなり受け入れてくれるものでしょうか。私も昔通った地元の小学校に問い合わせたところ、「大丈夫ですよ」と、こちらもあっさり承諾してくださいました。というわけで、今年は、上の娘は小学校に、下の娘は幼稚園に3週間ほどお世話になる予定です。

幼稚園では終わりにこんな素敵な冊子を娘達に作ってくれました。娘達の大切な宝物です。

2012/05/30

ノルウェー語のテスト受けてきました

昨日、ノルウェー語のテストを受けてきました。朝の11時から午後2時半までヒアリングと筆記の試験があり、さらに夜にはスピーキングのテストがあり、終わった頃にはもうぐったりです。

テストの出来は・・・微妙。筆記とスピーキングは多分大丈夫と思うのですが、ヒアリングがちょっと心配です。自分のヒアリング力の無さを痛感する結果となりました。普段スタヴァンゲル訛りのノルウェー語を聞いているのがいけないのでしょうか。ちなみに、スタヴァンゲルのノルウェー語はけっこう訛っていて、ノルウェー語で"not"に相当する「イッケ」は、スタヴァンゲル方言だと「イッシャー」、「私」の"I"は標準語では「ヤイ」ですが、スタヴァンゲルだと「エグ」、"what"は標準語だと「ヴァー」ですが、スタヴァンゲルだと「カー」という具合に、随分違います。外国人としては、ノルウェー人口少ないんだから、みんな標準語喋ってよ、と思ってしまいますが、彼らは方言にプライドを持っているので、はいそうですか、と標準語を喋るということはありえません。しかし、話によると、もっと北の方はさらに方言がすごいそうで、北部ノルウェーにお住まい方、ご苦労お察しします。

さて、ヒアリングと筆記テストの方は、スタヴァンゲルフォーラムというコンベンションセンターで行われました。レベル2のテストだけでも、大きな会場にざっと300人くらいの受験者です。ノルウェー語のテストを受けに来る人はこんなにいるのか、と、自分のことは棚に上げつつびっくりです。受けに来ている人も、ロシア・東欧系からアフリカ系から中東系からアジア系からと色々。テストのインストラクションは全てノルウェー語で行われたので(当たり前?)、私は聞き逃さないように必死に聞いていましたが、それでも、ヒアリングテストが終わった後トイレに行こうとして、「まだ休憩時間じゃないから席を立たないで!」と試験官の人に厳しく注意されました。でも、そんな試験官の目を盗んでぱらぱら席を立ってトイレに行く人もけっこういましたよ。私たちは中級ノルウェー語のテストを受けに来ているわけなので、ノルウェー語で出される細かい指示(トイレ休憩はいつとか)を全て完璧に理解することを期待する方が無理ってものです。

2012/05/29

ノルウェー代表惨敗

サッカーではありません。ユーロビジョンの話です。先日始めてユーロビジョンというものを見ました。ヨーロッパにお住まいの方はご存知と思いますが、ユーロビジョンとは、ヨーロッパ全土の歌合戦と思っていただければいいと思います。国ごとに代表を送り込み、各国の投票によって勝ち負けが決まるわけですが、ミソは自分の国には投票できないところです。先週準決勝が行われ、勝ち残った国の決勝大会が土曜日の夜行われました。結果は・・・ノルウェーは決勝大会まで進んだものの、決勝ではまさかの最下位。ちなみに優勝はスウェーデンでした。

ノルウェーの代表はToojiというイラン系の移民の若くてかっこいい男の子でしたが、「dark and handsome」な彼は、言われなければ「ノルウェー代表」とは分かりません。そういえば、去年の代表もアフリカ系の移民の女の子でしたっけ。この、移民がノルウェーの代表として選ばれる、ということに、私は大変驚きました。ノルウェー代表は、ノルウェー国内で行われるメロディーグランプリという大会で決まりますが、これも国民による人気投票で一番票を集めた人が勝つわけです。Toojiはもちろんこの前哨戦で優勝したから、ヨーロッパ大会に出場できたわけです。ということは、ノルウェーの人たちは、移民が国の代表として大きな大会に出ることに全く違和感を感じない、ということなのでしょうか。

私はこの質問をランチの時間に同僚に訊いてみました。「もちろん、移民も大切なノルウェー社会のメンバーだし、彼らがノルウェーの国を代表するのは素晴らしいことだ」というような答えが返ってくるかと思いきや、返ってきたのはもう少しあやふやな返事。「うーん、多分ノルウェー人はそんなに熱心に投票しないんじゃないかな。移民の方がそういうのは熱心だから、それもあるんじゃない」と、投票人口の偏りという意見が出ました。もちろん、私の同僚はエコノミストやビジネス関係の教授及び院生なので、彼らの意見がノルウェーを反映しているとももちろんいえません。また、ある意味インテリ層の人たちはこの国民、ひいては全ヨーロッパの行事を少し引いた目で見ているのかもしれません。

そして、私にとっても始めて見たユーロビジョンの感想は・・・うーん、派手。ところどころで火や花火が出てきます。お国柄が出ている国もあれば、よりポピュラー路線で行く国もあり、言語も英語で歌う国もあれば、自分の言語で歌う国もあり。優勝するために色々なストラテジーが組まれているのでしょうか。歌も、地味よりは派手でインパクトのある歌の方がいいようです。確かに、この大会で優勝するには、よりユニバーサルにアピールするのが必須です。どこまで国のカラーを出して、どこまでポピュラー路線にするのか、そのさじ加減が難しいのかもしれません。

2012/05/26

奇跡の一週間

すいません。ちょっと大げさなタイトルでした。でも、この一週間、本当に奇跡のように毎日いいお天気でした。朝起きるとお日様が照っている。サマードレスにサンダルという格好でも全然寒くない(普段はオープントウの靴は夏でも寒くて履けません)。娘の学校からは、帽子と日焼け止めクリームを持たせるよう連絡が来る。こんなことは、少なくともスタヴァンゲルでは滅多にありません。私の記憶をたぐりよせると、こんなにいいお天気は、私たちが引っ越してきた4年前の夏以来ではないでしょうか。ただ、私たちは、夏に日本に帰ったりしてあまりノルウェーにいないので、暖かい日を逃しているのかもしれませんが、ノルウェーにいた人曰く、「去年は、待てど暮らせど、夏はとうとうやってこなかった」そうなので、4年ぶりの素晴らしく良い天気、というのも大げさではないかもしれません。

こうなると、ノルウェー人はちょっと軽いパニックです。この機会を逃すな、とばかり、みんなお日様にたっぷりと当たります。ウチでも、学校帰りにトイザラスに寄ってビニールプールをや水鉄砲を買って帰りましたが、お店では同じようにプールや外で遊ぶおもちゃを買う人たちでいっぱいです。また、この機会に庭の手入れをするのか、ガーデニングセンターも大人気です。スーパーでは、みんなソーセージやバーガーなど、外でバーベキューするものを買い求めていました。

家に帰って、さっそくプールを出し、みんなで水着に着替え、去年買ったわりに一度くらいしか使わなかったガーデンチェアーとテーブルのセットを並べ、スイカやアイスを食べ、ちょっと錆び付いたバーベキューグリルでサーモンとソーセージを焼いて食べました。両隣のお宅でも同じようにプールを出し、バーベキューをし、子供たちはパンツ一枚で走り回っています。大人も庭のイスに座って日光浴。

先日は娘達に新しい自転車を買いました。普段ぱっとしない天気だと、学校から帰ってきて外で自転車の練習、という気分でもないので、娘達は自転車に乗るのがあまり上手ではありません。上の娘など、まだ補助輪なしの自転車に乗れません。でも、この数日少しづず練習したおかげで随分上手になりました。

下の娘は庭で自転車の練習

2012/05/21

プレイデート

プレイデート、という言葉は日本でも使われるのでしょうか?ノルウェーでも使うのかどうかよく分かりませんが、英語ではよく使う表現です。なんのことかというと、単に、子供を一緒に遊ばせましょう、ということですが、今どきは親も子供も忙しいので、ちゃんと日時を決めておかないと、一緒に遊ぶこともままならないのです。特に娘の学校はスクールバスも走っているほど、学校から遠いところに住んでいる子供も多いので、一緒に遊ぶとはいえ、親が送り迎えをしないといけない場合がほとんどです。なので、子供のお稽古や親の都合など、いろいろと調整して、やっと子供は学校以外のプライベートな時間に一緒に遊ぶことができるのです。

先日下の娘が幼稚園の「親友」たちとプレイデートしました。よく考えて見たら、上の娘にはいろいろプレイデートをアレンジしているのに、下の娘はまだ幼稚園のお友達とプレイデートしたことがない、という事実に最近気付いたので、これではいけない、と、娘の友達のママのひとりに「プレイデートしませんか?」ともちかけたところ、あれよあれよ、という間に、娘がいつも一緒に遊んでいる親友4人といっぺんにプレイデートすることになりました。いつもは、一人の子と予定を合わせるのにも苦労するのに、4人みんなと都合が合うなんて、星の巡り合わせとしか思えません。

集まった4人の女の子たちは、ノルウェー人と日本人ハーフのうちの娘のほかに、両親がアジア系ノルウェー人とデンマーク人、アメリカ人とノルウェー人、そしてコロンビア人とベネズエラ人、という、民族的にも言語的にもばらばらの子供たち。こうして、いろいろなバックグランドの子供たちと当たり前に遊べるのが、インターナショナルスクールのいいところです。そして、私意外の親御さんはみんな石油関係のお仕事をしているのは、やっぱりスタヴァンゲル。そういう意味で、国籍は多様でも、プロフェッショナルの分野に偏りがあります。

2012/05/19

ノルウェーのナショナルデー

やっと終わった・・・何って、5月17日の憲法記念日。

先週は基本的に忙しかったのですが、火曜日にトロムソに日帰り出張したのがやっぱりきつかった。スタヴァンゲルからトロムソへは直行便が出ていないので、オスロ経由で行ったのですが、朝の5時半に家を出て、10時半ころトロムソに到着、11時半からプレゼンをしてそのあとミーティング、そして4時半の飛行機でスタヴァンゲルへ。家に着いたのは夜の8時。疲れた・・・。そして次の日はミーティングやらセミナーやらで一日が終わり、疲れが残ったままに17日の朝。

5月17日はノルウェーがデンマークから独立して独自の憲法を制定した記念すべき日、ということで、もちろん国の祝日。この日、各地で子供たちのパレードが行われます。娘の学校もパレードに参加します。英国学校ではレセプションと呼ばれる、日本で言う年長さんの年からこのパレードに参加するので、娘は去年からパレードに参加したのですが、私はそのとき学会でハワイに行っていて、なんと帰ってくる日にちを計算ちがいしてパレードに間に合わなかったために、娘のパレードを見逃してしまう、という大失敗を犯し、また、全て一人でやらなければならなかった夫にはいまだに嫌味を言われます。

さて、パレードで子供たちは普通ノルウェーの民族衣装で参加しますが、英国学校では民族衣装は着ないで、代わりに学校の制服でパレードします。パレードは朝10時からなので、子供たちは9時に集合です。この日は朝からひどい天気でした。寒いし、雨も降ったり止んだりしています。これが他の日だったら外に出ないで一日家にこもっていたいような天気ですが、パレードなので仕方ありません。子供に温かいウールの下着を着せて、集合場所に向かいます。着いて見ると、みんな悪天候の中、それでもパレードということで少し興奮気味でしたが、中には泣いている子もいます。私だって、このクソ天気の悪い中パレードしろ、と言われたら泣いちゃうかも、気持ちは分かるよ、と、同情の視線を向けつつ集合場所を後にして、パレードの通過地点に向かいました。

それでも道端には沢山の人が集まり、パレードが始まるのを待っています。それにしても、この天気。5月だというのに、また冬に逆戻りしてしまったようです。春は一体どこへ行ってしまったのか。もう戻って来ないのか。おしゃれより防寒を優先させた格好で来てよかった。周りを見渡しても、顔見知りの英国学校の親御さんたちは、ほとんど防寒優先の格好でした。まあ、自分の国の祝日ではないので、気楽なのかもしれません。一方で、ノルウェー人はみんな民族衣装を着ています。でも、雨なので雨合羽を着ていて、せっかくの衣装も良く見えません。


せっかくの衣装も雨合羽でよく見えません。

2012/05/16

ノルウェー語のテストもうすぐです!

「果たして、私にもノルウェー語が流暢に喋れる、などという日が来るのだろうか?」そんなことを考えてしまうのは、あと2週間ほどでノルウェー語のテストだからでしょうか。受けるのは、レベル2のノルウェー語のテスト。一応中級だと思うのですが、在ノルウェーもうすぐ4年の身としては、「まだそんなレベルなの?」と言われても何も言い返せない程度のものです。しかし、このレベル2というのは、実は移民には大切な登竜門。なぜかと言うと、永久居住者になるには、このレベルをパスしないといけないことになっているからです。

ノルウェーに移民したい人は、ノルウェー語ができるのが必須です。これは、250時間のノルウェー語と50時間のソーシャルスタディーのクラスに出席することでクリアできますが、まず、私の場合、クラスをとり始めるのが遅かった。普通は移民してきてすぐに始めるらしいのですが、私の場合は新しい仕事に慣れるのに精一杯でそれどころではなく、さらに妊娠・出産も重なって、結局ちゃんとクラスを取り始めたのは、やっと2年ほど前。それでも、始めてからは、わりと真面目にクラスに出席していましたが、学会や仕事の都合などで休みが重なったりすることもしばしば。しかし、必須のクラスであるため、出席のチェックがとても厳しく、私は未だにこの250プラス50時間をクリアしていません。さらにこの学期はノルウェー語のクラスをお休みしているので(フルタイムで働いて、小さい子供がいる上に夜間の語学のクラスを取るのはさすがにちょっと疲れた!)、一体いつになったらこの条件をクリアできるのかわかりません。そんな折、レベル2のノルウェー語のテストをパスすれば、クラスに出席するのは免除される、という話をきき、それならばいっそテストに合格してしまえ、という戦略に切り替えることにしたのです。

一応模擬テストでは合格しているので、全くムリ、ということもないだろう、と自分に言い聞かせていますが、テストは、ヒアリングと筆記に加えて会話のテストもあり、私はヒアリングと会話に関しては全く自信ありません。ノルウェー語学校の先生は「会話で落ちる人はほとんどいないから」と言って励ましてくれますが、確率はゼロでないわけで、きっと私みたいな人が落ちるんだ、と気持ちはネガティブです。しかし、あまり後ろ向きになっていても拉致があかないので、この2週間はできるかぎりノルウェー語で会話する、という目標を立ててみました。