2013/01/24

ノルウェー冬の大気汚染!

先日ノルウェー人の「外に出る」及び「新鮮な空気」オブセッションについて書いたばかりだというのに、なんとしたことか、あまり外に出られない状況になってしまいました。なぜかというと、大気汚染がひどいためです。ノルウェーといえば、「美しい自然」というイメージで、公害や大気汚染とは程遠いように思われるかもしれませんが、ノルウェー人とて仙人のような暮らしをしているわけではなく、車も運転すればゴミも出します。しかし、今問題になっている大気汚染はノルウェーの冬の気圧配置の影響によるもののようです。というのは、ここのところ冷え込んで、海岸性気候で普段あまり寒くならないスタヴァンゲルでも毎日マイナス10度などという日々が続いているのですが、このように寒くなると、どうやら大気が動かなくなってしまうらしいのです。ちょうどポケットのように空気がこもってしまい、動かなくなるのだとか。そうすると、大気の汚染物質も動かないでこもってしまい、大気汚染がひどくなるわけです。私ももう4年以上ノルウェーに住んでいますが、こんなにひどい大気汚染は初めてです。どんなにひどいかというと、スモッグが目に見えるほどひどく、LA並みです。どうやら一番ひどいのはベルゲンのようですが、スタヴァンゲルでも地区によっては、喘息のある人や子供はあまり外にでないように、との警告が出されたそうです。

この、冬特有の大気汚染をさらにひどくしていることがふたつあります。ひとつは、ディーゼルで走る車が沢山あること。これは皮肉にも、ノルウェーの政府がディーゼルエンジンの車の方が燃費がよく、より環境に良い、と奨励したこともあって定着したのですが、最近になって、ディーゼルエンジンの方が二酸化炭素の排出は低くてもその他の汚染物質は沢山出る、というのが分かったのだとか。環境によかれ、と思ってしたことが、違ったところで裏目に出てしまったようです。


もうひとつ、大気汚染をひどくしているのが、薪ストーブ。ノルウェーの家ではだいたい薪ストーブがついていて、冬の寒い日にはこの薪ストーブで家族で暖をとるのがお約束です。我が家でも、毎日のように薪ストーブをたいています。薪のストーブはエアコンなどとはまた違った特別の暖かさをもたらしてくれます。しかし、これもまた、大気汚染の粒子を沢山排出するのだそうです。私たちはどういう形でか環境に影響を与えないでは生きてはいけないようです。

さらに輪をかけて大気汚染をひどくしたのは、娘たちの学校の近くの清掃工場からの火事!幸いに火は消し止められたようですが、一晩中煙が出て、近くの家の人はよく眠れなかったと言っていました。しかも、工場の壁にはアズベストが含まれていて、煙は有毒(即効性ではないですが)。そして、大気が動かないために、煙は近辺に溜まったままです。幸い煙は娘たちの学校と反対の方向に流れていましたが、娘たちの学校をはじめ、近くの学校でも、閉鎖はしなかったまでも、屋外での活動は中止になったようです。

この2週間ほど、毎日寒くても晴れてお天気がよく、いつもの湿ってグレーなお天気に比べたら、ちょっとくらい寒くてもこっちの方が全然いい!と思っていたら、ひどい大気汚染。やはりスタヴァンゲルの冬は湿ってグレーなのが結局一番ってことなのでしょうか・・・。

ちなみに、数少ない外国人の同僚は、「今毎日、日が4分ずつ長くなってるんんだ!」と教えてくれました。もともとケイマン諸島出身の彼も、ギリシア人の彼の奥さんも、春が来て明るくなるのを指折り待っているようです。

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