2013/02/11

ノルウェーのキャビンでスキー休暇

今週娘たちの学校が冬休みなので、スキーバケーションに来ています。やって来たのはヴァルドレス地方のファルガネスの近くのキャビン。オスロから北の方に二時間半ほど行ったところです。なぜスタヴァンゲルから車で8時間もかけてここまで来たのか。ひとつには友人夫婦と一緒に来たからです。彼らは去年も同じキャビンをレンタルしたそうですが、大変気に入ったのでまた行きたい、と言います。もうひとつには、値段。スタヴァンゲル一帯はみんな学校が冬休みなので、キャビンを持っている人はいいとして、私たちのようにキャビンを所有していない人はレンタルしなければいけないわけですが、ピークシーズンということでたいへん値段が高いのです。ファルガネスは、オスロに住む人たちがスキーに訪れる場所ですが、オスロとは冬休みの時期がずれているので、こっちならオフピークの値段でキャビンが借りられます。私たちが借りているキャビンも、ピーク時には値段が4倍以上にも跳ね上がるそうな。

そういうわけで、一日かけて荷物でいっぱいの車を運転して、こんな遠くまでやってきたわけですが、娘たちは日本に帰ったりして長旅に慣れているので、移動は特に問題なくスムーズにいきました。ただ、途中休み休み来たので、朝の8時に出発して、到着したのは夜の7時。やはり長旅でした。しかも、私たちのバケーションはスペインなど南に行くことが多いので、今回のように、長旅の後に辿り着くのが、暖かいビーチではなく雪深い山奥なのはいつもと随分違います。また、泊まる所も、リゾートホテルではなく、ノルウェーの山小屋。

ノルウェーの山小屋というのは、基本的に質素なものです。最近は、よりラグジョリアスなキャビンが増えてきたとはいえ、基本はシンプルなのです。友人夫婦にも、「キャビンはすごくシンプルなものだから」と、忠告を受けていました。それでも、暖かいお湯もでるし、トイレも家の中にあるし、車も家の前に止めれられるし、ずいぶん快適であるといいます。では、そうでないキャビンもあるのかといえば、あるのです。私の同僚の一人は、山奥の小島に彼の家族が代々所有するキャビンを持っているそうですが、冬は行かないそうです。昔に建てられたキャビンは、ちゃんと防寒層(?)を入れた壁ではなく、もちろん窓も一重なので、そこでは寒くて冬は過ごせないそうです。また、シャワーもなく、夏ならば近くの川や湖で行水するのですが、さすがに冬ではそうもいなかいと。さらに、島にはちゃんとした下水道が通っていないので、家の外に建っているトイレも水洗とはいきません。「シンプル」と言えは聞こえはいいかもしれませんが、こうなるともう現代人が我慢できる限界を超えてしまった感じです。彼も、「僕の先祖はそうやって暮らしていたのだけれど、今の僕たちにはとても無理だよ。」と言っていました。

レンタルしたキャビン。


さて、私たちの借りているキャビンは、2LKD。一階にトイレ&シャワー、キッチン、ダイニングとリビングルーム。リビングにはソファーと、小さいながらもテレビも付いています。二階はベッドルームがふたつ。確かに豪華ではありませんが、随分快適です。そして、外に出れば、そこにはスキーの道が。家の玄関からクロカンのスキーを履いてすぐに滑りだせるような感じです。

キャビンの中。
玄関出たらもうスキーを履いてゴー。
そもそも、なぜスキー旅行に行くことになったかというと、ウチの娘たちはスキーの経験がほとんどなく、ノルウェー人の夫は随分と罪悪感を感じていたようです。ノルウェーでは、もう2歳くらいから親と一緒にスキーをするのです。スタヴァンゲルは決して雪が多く降る土地ではありませんが、夫もよく両親とスキーに行ったそう。別に毎週行かなくてもいいけれど、せめて年に一度、一週間でもスキーに慣れ親しんでもらいたい、というのが夫の願いのようです。一方雪国育ちの私は「もう一生分のスキーをした」と思っているので、とくにスキーに行きたいとも思わないのに加えて、小さい頃から、ある意味スキーをさせられてきた感があるので(学校の授業などで)、特に娘たちにスキーに親しんでもらいたい、とも思っていないのですが、まあ、たしなみとしてスキーくらいできた方がいいかな、ということで、賛成。加えて、クリスマスに貰った(クロカン)スキーも使わなくてはもったいないです。

しかし、くどいようですが、あまりクロカンによい思い出を持っていない私は、全く期待せずに今回のスキー旅行に来てみたのですが、クロカンを久しぶりに、またある意味初めてトレーニングではなくレクリエーションとしてやってみたら、これが楽しい!子供連れなのであまり速くは進めないのも、かえってよかったかもしれません。散歩感覚で休み休み、ゆっくりと景色を堪能しながら、冷たくて新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む。んー、気持ちいい。幸いお天気にも恵まれ、寒いけれど(昼でマイナス6度くらい)、動いて暖かいので、そんなに寒さは気になりません。

しかし、こんなに楽しいのは、設備にもよると思います。とにかく、スキーのトレイル(散歩道)がかなりしっかり整備されているのです。トレイルがいたるところを廻っていて、ちょっと行けばすぐにトレイルに当たるのに加えて、トレイルはちゃんと除雪してスキーのトラックもついているので、誰でも走りやすくなっています。新雪をかきわけてスキーするのはけっこう大変ですが、これならば子供でもすいすい進めます。実際ほぼ始めてクロカンをした上の娘は、初日からがんがんと滑って数キロのトレイルを完走しました。ちょっとくらい急な斜面もなんのその、という感じで大変楽しんでいる様子です。私などは、クロカンはかなり久しぶりなので、斜面をアルペンスキーのように曲がろうとして転んでばかりでしたが、平地では昔取った杵柄、夫も私の美しい滑走フォームに「おお」と感嘆の声を上げたほどです。

さて、みんな楽しんでスキーをしている中で、いまいち波に乗り切れないのが下の娘。スキーもそりも、ちょっとすると「ウチに帰りたい。」とはいえ、小さい子は仕方がないでしょう。あまり強制して嫌いになっても困るので、ほどほどにして切り上げています。一緒に来ている他の家族も、下の子供たちは少し滑っておしまい。でも、それでよいのです。あと数日の滞在のうちに、せめて「また来たい」と思えるくらいは楽しんでくれるといいな、と思います。

2 件のコメント:

  1. ゆうこ、ブログ毎回楽しみにしています。お引っ越しも一段落して、休暇を楽しんでいる様子。キャビンのお部屋の中、とっても可愛いいのね!クロカンのあとにこんなお部屋でゆっくり過ごせるなんて素敵♪ゆうこのクロカンの腕が(足?)さらに上達しますように!(^^)!

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    1. かなりなんでも揃っていて快適だけど、温泉が無いのがちょっとツライかな。

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