2012/07/03

日本人は情報ジャンキー?

日本にいると、健康関係の情報にとても敏感になります。新聞でも、雑誌でも、テレビでも、スーパーに買い物に行っても、いつでもどこでも、「血液サラサラ」とか、「お肌にいい」とか、「高血圧にきく」とか、そんなフレーズがいたるとこるにあります。もちろん、アメリカ人だって、ノルウェー人だって、健康であることは大切ですし、エクササイズしたり、食べるものに気を使ったりしますが、それは日本人の比ではありません。日本人の「健康」や「美容」への取り組みは、もう、それが趣味の健康オタク、という感じです。そして、さらに凄い、と思うのは、それが全国津々浦々に年代を超えて情報がまんべんなく行き渡り、別に綺麗でいるのが職業の人たち(モデルさんや女優さんなど)でなくとも、一般人の健康の知識レベルがやたら高いことです。

また、日本人は「美味しいものが食べたい!」という欲求が高く、テレビをつければ必ずなにかグルメ番組とか、どこそこの美味しい何々を食べに行く、とか、今旬の何々を食べに行く、とか、どこのレストランが美味しい、とか、行列のできる何々屋、とか、食に関する情報もあふれています。

私はシーフードマーケットの研究もしているので、ノルウェーのNorwegian Seafood Council (NSC,ノルウェー水産物審議会)とも一緒に仕事をします。今はNSCとも連携してヨーロッパのシーフード市場についての消費者アンケートをとっているのですが、そのアンケート用紙を作っているとき、私が「シーフードは大切な蛋白源でしょ」みたいなことを言ったら、同僚のひとりが「そんな風に、これはたんぱく質、これはビタミン、みたいに考えて食品買ってる人なんていないよ」と言うのです。私はびっくりして、「え、しないの!?」と答えると、NSCから来ていた人が、「日本のマーケットは、消費者の食に関する関心も知識も高くて、嗜好も洗練されていて、世界のどのマーケットとも別物!」と言っていました。納得。

旅関係の情報もすごいです。ノルウェーでは、旅行関連の本は、Lonley Planetなど、代表的ないくつかのシリーズは置いてありますが、日本のようにたくさんの種類はありません。日本だと、シリーズもたくさんあり、また、旅の種類や興味によっても、随分たくさんの本がでています。内容も、写真が盛りだくさんで、分かりやすく、役立つ情報満載です。テレビで旅番組とか、外国の文化などに関する番組もたくさんあります。世界遺産を訪ねる、みたいな番組もありますが、先日私はテレビの番組表でカナリー諸島のテネリフェにある火山が世界遺産であることを知りました。もう2回も行ってるのに!テネリフェに大きい火山があるのは知っていましたが、それが世界遺産であるなどどは全く知りませんでした。また、今年はトルコにバケーションに行く、と話したら、周りから、「カッパドキアに行くといいよ」と勧められましたが、私は、「え、カッパ何?」その場にいた人はみんな知っているようでしたが、そんなに有名なの!?

また、いつも感心するのは、日本の女性ファッション誌が、すごく実用的な情報に溢れているからです。欧米の雑誌は、いろいろなブランドのそのシーズンのショットがたくさん載っていて、見た目素敵ですが、ほぼまったく実用的な情報は載っていません。どちらかというと、素敵な写真を見てインスピレーションを受けるのが用途、という感じがします。おかでげ、欧米の女性は日本人ほど健康や美容の知識がないように思います。その点日本の雑誌は、洗顔の仕方から、服の一ヶ月着まわし術から、まとめ髪のテクニックから、チークの正しい入れ方から、リンパマッサージのやり方まで、細かに説明してくれます。アメリカに住んでいる日本人の友人の話ですが、彼女の友達(40歳くらい)は私の友人が教えてあげるまで、ダブル洗顔をしないといけないとか、クリームを塗る前に化粧水を付けないといけない、とか、日本女性ならば常識といえることを、それまで知らなかったそうです。

このように、日本人は情報量や知識レベルがとても高いようです。基本的に知識を得ることに喜びを覚える民族なのでしょうか。すごいと思う反面、こんなに情報が多いと、その中から自分に必要な情報を選び取ってゆくスキルが無いと、情報に踊らされてしまうようにも思いました。

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