2012/11/25

期末テストは重労働

またしてもご無沙汰しております。毎日なにかと忙しく、なかなかブログに向かう時間もエネルギーもない日々が続いているところです。何かというと、今ちょうど期末テストの時期なのです。ノルウェーの大学は基本的に期末試験で成績が決まります。アメリカの大学では中間や期末試験に加えて、出席や宿題も成績にカウントされることが多かったので、そういう意味で、リスクがばらけていた分少し気が楽だった気がしますが、ノルウェーの学生は、学期中どんなにがんばっていても、期末試験がダメだったら成績はダメなので、鬼気迫るものがあります。また、今までだらけていてちゃんと宿題などとやってこなかった生徒は、今必死に追いついているところで、そういった理由で私のオフィスには質問にくる学生が急に増え、質問のメールも毎日送られてきます。

アメリカから引っ越してきた頃は、アメリカ式に成績が中間・期末・宿題、といろいろな要素から決まるシステムにしようと思ったのですが、ノルウェー人の同僚に「それはやめたほうがいい」と忠告を受けました。なぜかというと、ノルウェーでは、学生は成績がつけられたもの(テストであれ、宿題であれ)に対して異議を申し立てる権利があるのです。それも、アメリカ式に、先生に直接「どうしてこの宿題の成績ははBなんですか?」と直接聞くのではなく、「意義申立書」とでもいいましょうか、そういう書類を大学に提出するのです。その書類が提出されると、成績をつけた職員のもとに、なぜそういう成績になったのか説明を求める書類が届きます。それに対して、職員は成績の説明を提示し、また大学に提出します。それに対して学生が納得すればそれで終わりですが、そこで納得のいかない学生は、さらに異議を申し立てることができます。その場合、職員は学部の内部・外部から一人づつ審判(?)を指名し、成績が公正であったかどうかの判断が下されます。

ものすごく面倒くさいシステムですが、これは学生の権利とされているので、そう簡単に廃止するわけにもいかないのでしょうか。私も何度か期末テストの成績ででこれらの異議申し立てを受けたことがあります。いまのところ、私のつけた成績が覆されたというケースはありませんが、これを宿題を出す度にやっていては仕事になりません。そういうわけで、クラスでは宿題を出しますが、提出は義務付けていませんし、添削もしません。そのかわり、詳しい解答を配布します。このシステムだと、やる気のある生徒は自分で勉強できますが、あまりやる気がなかったり、仕事を持っていて忙しい学生などは、結局最後の最後まで勉強しない、ということになってしまいます。もっと中間テストなどを入れて、半ばでチェックが入るようにしようにも、面倒くさいシステム上そういうわけにはいかないのです。