2012/02/29

ノルウェー人とバケーション(2)山小屋でバケーション

ノルウェー人はみんな南の方へバケーションにいくのかと思いきや、実は国内でバケーションする人もたくさんいます。自分達の山小屋に行くのです。たくさんのノルウェー人が山の中にキャビンを持っていて、休みになるとそこに行くのです。山の中、といっても湖もたくさんあるので、夏なら泳いだり、ボートでクルーズしたりできます。夏、子供の学校が休みのあいだ何週間かキャビンに行く、とか、冬スキーをしにキャビンへ、などはよくきく話です。

残念ながら私たちも、夫の家族もキャビンを所有していないので、私たちは普段休みにキャビンに行ったりはしないのですが、少し前に友人夫婦が彼らのキャビンに招待してくれました。そのキャビンはどちらかと言うと質素な部類に入るかもしれませんが、それでも3LDKくらいで十分広く、もちろんシャワーもついていました。中は山小屋っぽくラスティックかつ温かみのあるインテリアでした。私が遊びに行くお宅は若い人の家が多いせいか、お家のインテリアはシンプル アンド モダンという感じが多いのですが、キャビンは別のようで、鹿やトナカイの首が飾ってあるような、「いかにも」な山小屋っぽいインテリアに落ち着くようです。キャビン専門のインテリア雑誌なども見かけるので、やはり自宅とキャビンでは別、ということなのでしょうか。

さて、私たちが遊びに行ったキャビンは、車を停めるスペースから、5分ほど山歩きをしないと玄関にたどり着けません。ちょっとした小道、なんてものではなく、本当に山の斜面の舗装してない道を登っていくのです。私たちは、荷物を全部運ぶのに何度かこの道を往復しなければいけませんでした。この手の不便さに慣れていない私などはぶちぶち文句を言っていたのですが、ノルウェー人夫妻は「山小屋っていうのはこういうものなんだよ」と全く気にしていない様子。それどころか、この山小屋は友人夫のご両親が自分達で建てたのだと教えてくれました。

2012/02/27

ノルウェー人とバケーション(1)南でバケーション


ノルウェー人は必ずバケーションを取ります。有給休暇は全部で4~5週間ほどあり、いっぺんにとる人もいれば、何度かに分けて取る人もいますが、何週間という単位で仕事を休むのは全く珍しくありません。ノルウェー人は有給を取ることを躊躇しません。当然の権利だと思っていますし、他の人もみんな取るので、取りにくい、ということもありません。

わたしたちがまだアメリカに住んでいた頃、孫の顔を見におじいちゃん、おばあちゃんが訪ねてくるわけですが、夫の両親は3週間、うちの母は5日間、という滞在期間でした。母は今は定年していますが、仕事をしていた頃は、1週間の休暇をとるのでも、おそらく随分仕事を調整したり、周りの人に謝ったりして、なんとか1週間の休みとり、また、短い滞在期間中も親戚や職場の人に配るお土産の心配ばかりしていました。その一方で夫の両親は毎日散歩したり、買い物に行ったり、プールに行ったり、孫と遊んだり、ノルウェーにいる孫達におもちゃやお土産を買ったり、週末にはみんなで小旅行に行ったりして、のんびりゆっくり過ごしていきました。こんな風に三週間も仕事を休めるなんて、ノルウェーとは一体どんな国なのだろう、と思ったものです。

そして、自分がノルウェーに住んでみて、なるほどこれではバケーションにも行きたくなるわ、と思いました。なにしろ天気が悪いのです。わたしの住むスタヴァンゲルはノルウェーとはいえ南の方にあるので、冬でも一日太陽が出ない、ということはありませんが、冬の日の短い間は朝まだ真っ暗なうちに起きて、真っ暗なうちに家を出て、仕事に着く頃空が白み始め、家に帰る頃にはもう真っ暗。また曇りや雨の日も多いので、いつもどよ~ん、としています(「天気」参照)。これは、ノルウェーに住んで経験したとこですが、日照時間が短く、暗い時間が長いと、やたらと眠くなってしまうのです。4時半からずっと暗いせいか、もう8時頃には眠くなってしまいます。昼間もあまり元気がでません。クマが冬眠する気持ちも今なら分かります。夏も夏で、天気がいい日は本当に過ごしやすく美しい日々ですが、それは夏の間1~2週間もあればいい方で、その他の日は毎日寒くて半袖やサンダルでは過ごせません。年中こんなだと、体が太陽を欲するのです。ああ、暖かくて明るいところに行きたい、と。

2012/02/26

「安い」という選択肢

先日ノルウェーの物価が高い話をしまして(「ノルウェーやっぱり物価高い!」参照)、ノルウェーはとにかくなんでも高く、特に「安い」という選択肢がないのがツライ、というオブザベーションでした。しかし、私たちは「安い」ということに対してもう少し注意深くなってもよいのでは、と私は日々思っています。安いものを見たときに「安い!ラッキー」と思うところを、一歩下がって、「本当に安いのか」考えてみるのです。

私は去年の夏に日本に帰ったとき、スーパーで食品があまりに安くて驚いてしまいました。お豆腐や油揚げ、納豆などの大豆製品は1個100円以下。しめじ1パック100円(これは小千谷だったからですか?!)。「やっぱり日本はいいな~」と思った反面、私は少し心配になりました。こんな値段で採算がとれるのだろうか、と。

この値段の安さが、例えば新しいテクノロジーにより、今までよりも効率よく梱包ができるようになったから、などイノベーションが理由で値段が下がるのならいいのですが、しかしこれが、例えば工場で働いている人たちが残業代ナシで長時間労働した結果だったとしたら。例えば中国などから安いけれど安全性がいまいち怪しげな原材料を買ってきて作っているのだとしたら。例えば、派遣の人を沢山雇って人件費を削減してコストを抑えているのだとしたら。例えば農家の人が、これではもうやっていけない、と離農してしまったら。

社会に溢れるのは、長い時間休みなく働いて疲れ果てた人たち。働いても働いても生活が豊かにならない最低賃金で働く人たち。お金は稼げてもそれを使って人生を楽しむ時間のない人たち。安全な食べ物を食べてこなかったために、健康を害する人たち。契約を切られたら困るから、と悪条件の労働に文句を言えない派遣の人たち。農業するだけでは食べていけない農家。そして、そういう大人たちを見ながら育ってゆく子供達。たしかに納豆1パックの値段は安く収まるかもしれませんが、わたしたちはその他のところで安い納豆のツケを払っているのではないでしょうか。

2012/02/24

ノルウェーバレエと日本人のアイデンティティー

上の娘(6歳)がバレエを習っているのもあって、きのう二人でバレエを見に行ってきました。見たのは、ノルウェーのナショナルバレエの公演で「ジゼル」。チケットを買った後であまり子供向けの内容でもないな、と気付きましたが(ごく簡単に説明しますと、村娘のジゼルがお忍びで村人のフリをしていた伯爵と恋に落ちるも、彼のウソがばれて、しかも婚約者までいることを知ったジゼルは心の痛手のあまり死んでしまいます。その後、後半では精霊となったジゼルが、精霊の女王が伯爵を踊り殺そうとするのを阻止する、というような内容です)事前に内容を説明しておけばいいだろう、ということにしました。

始めはけっこう熱心に見ていた娘ですが、さすがに後半は疲れてきて、最後の方はかなり眠そうでしたが、2時間の公演を全部見ました。感想としては、ダンサーは皆さん素晴らしく、その美しさにうっとりでした。音楽もよく、バレエに全然なじみの無い私も十分に楽しめました。ただ、私は主役のジゼルを西野麻衣子さんという日本人のダンサーが踊ってくださるものと期待していたのですが、当日の主役は別のダンサーだったので、少しがっかりでした。

実は去年のクリスマスのころ、「くるみ割り人形」を家族で見に行ったときに、彼女が金平糖の精を踊っていて、それがものすごく美しかったのも印象的でしたが、娘が「Hun er janansk (彼女は日本人よ)」と得意げに一緒に観にいっていたイトコやおばあちゃんに話していたのを見て、そういえばノルウェーで日本人がスポットライトを浴びる、という光景はあまり見たことがないと気付きました。

2012/02/23

ノルウェーやっぱり物価高い!

先日フェイスブック経由で知人が送ってくれたランキングによると、世界で一番物価高の都市は、スタヴァンゲル、ノルウェー!だそうです。2位にトロンハイム、3位オスロとノルウェーの都市が続きます。ちなみに東京は12位、大阪は13位でした。

興味のある方、ウェブサイトのリンクはこちらです(英語)。

このランキングはニューヨークを100としています。CPI (コンスーマープライスインデックス)で比べると、スタヴァンゲルは187.33、東京は137.19でした。つまり、スタヴァンゲルはニューヨークに比べて物価が87パーセント高い!例えばニューヨークで1000円で買える物が、スタヴァンゲルでは1873円する計算です。東京では1372円です。外食に至っては、スタヴァンゲル220!ニューヨークで外食するのに比べて倍以上!(ちなにみ、東京はニューヨークよりちょっと安くて90でした)これは、スタヴァンゲルでは何でもアメリカの倍くらいする、という私の感覚とも一致します。

私が感じる日本との大きな違いは、日本では、高いものを探せば、スタヴァンゲルで見つけられる物よりずっと高いものが沢山あります。けれど、安いものを探せばそれも沢山あります。ランチを例にとっても、安く済ませようと思えば、いくらでも安いものが探せるのが日本です。コンビニでおにぎりとお茶を買えば250円とかでしょうか。これがノルウェーだと、安い選択肢がありません。マクドナルドのなんとかセットだって、1200円から1500円くらいしますし、コンビニに行ってもサンドイッチひとつ600円から1000円くらい、そこに飲み物をつければそれだけでプラス400円です。ファーストフードの代表のホットドッグですら、700円くらい。つまり、一番安い選択肢でも700円くらいしてしまう、という状態です。


2012/02/21

便利さの表と裏

先日ノルウェーの選択肢の無さについて触れましたが、それと関連して思うのは、ノルウェーがすごく不便である、ということです。特に日本やアメリカなど、いつでもどこでも、という生活に慣れていると、ノルウェーは想像を絶する不便さです。

毎週土曜日、私は必ずスーパーに買いだめに行きます。なぜなら、日曜日はお店が開いていないからです。なので、少なくとも土曜日、日曜日、そして月曜日の朝ごはんとお弁当用の食べ物を買ってこないといけません。それでも、スーパーは夜9時とかまで開いているので、少し遅くなってもまだ大丈夫です。しかし、薬局は3時には閉まってしまいます。なので、例えばコンタクトレンズの洗浄液が切れたりすると、本当に困ります。24時間営業のドラッグストアなんてものはありませんし、コンタクトレンズの洗浄液とか子供の風邪薬とか、スーパーには売っていないので、土曜日の4時ごろに「あっ!」と思っても遅いのです。お店がはやく閉まってしまうのは平日も一緒で、普通のお店はだいたい5時に閉まってしまいます。

トレイシー マジック

「ちょっと太ったよね」とイトコの言われたのは去年の夏日本に帰ったときでしたっけ。ええ、確かに。二人目が生まれてから3年近くになるのに、まだ体型は戻ってないし、日本に戻ると、ついつい「今しか食べられない!」とばかりに、食いだめしようとするので、いつも太ってノルウェーに戻ることになります。去年は日本から戻ってからスペインのマヨルカにバケーションに行ったのですが、ビキニになるのもツライ体型で、これはなんとかしなければ、と思ったのです。

私は昔から運動があまり得意ではなく、走るのは遅いし、球技は全滅。それでも、人より体が柔らかい方なので、カリフォルニアにいた頃から始めてこの8年ほどずっとヨガをしていました。しかし、子供がいないときは週三回ほど通っていたヨガも、子供が生まれてからは、せいぜい週一回。また、ヨガを始めてわりと早い時期に気がついたのは、ヨガをしたからといって、痩せるとは限らない、ということです。ヨガの先生がみんなすらっと痩せていたわけではないし、自分も、健康にはなっても、別に痩せませんでした。

そこで、去年の9月頃から始めたのがトレイシー アンダーソン メソッド、と呼ばれるプログラム。トレイシーはグェネス パルトローやマドンナのパーソナルトレーナーとして知られる人で、特にグェネスの産後の体型を産前よりもよくしたことで有名です。私も随分昔にトレイシーをテレビで見て、記憶のどこかに残っていたのですが、日本で彼女のDVD付きの本を見つけて、試してみようと思ったわけです。

左はマドンナ、右はグェネスとトレイシー。
トレイシーは背が低いのも親近感を覚えます(私も背が低いので)

彼女のプログラムは半端ではありません。何もしないで痩せる、楽して痩せる、などどいうのは幻想であると彼女のプログラムは教えてくれます。でも、同時に努力した分だけ返ってくる、というのも彼女のプログラムの特徴です。経済学の最初のクラスで教わるのは、タダ飯などどいうものは存在しない、ということ、つまり、何かを得るとき何らかの形で代償を支払わなければならない、ということです。うまい話にはウラがある、と日本でもいいますが、「XXだけで痩せる」みたいなキャッチコピーは信用できません。

2012/02/19

日曜日の晩御飯

日本でも、日曜日の夜は家族で過ごすことが多いのではないでしょうか。ノルウェーでも日曜日の晩御飯は家族で食べることが多いようです。

この週末ウチの子供達はフィヨルドの向こうのタウに住むおじいちゃん、おばあちゃんのところに行っていました(「フェリーでタウへ」参照)。月に一度ほど、週末に子供達だけお泊りに送り込んでいます。金曜日の夜に夫のお母様がスタヴァンゲルのフェリー乗り場まで迎えに来てくれて、子供達を連れてタウに行きます。そして、私と夫が日曜日の昼過ぎにタウに行って、そのまま日曜日の晩ご飯を食べ、そして家に帰って来る、という感じです。夫はここのところ「コムラ」が食べたかったので、夕ご飯はお母様がコムラを作ってくれました。

コムラ、とは何かといいますと、ノルウェーのイモだんごです。これがまた、なんとも美味しくない。これだけ食べても、味も素っ気も無い感じです。このコムラには、付け合せで食べるサイドディッシュがあります。ソーセージと塩漬けの羊肉、そしてコロラビという、オレンジの巨大なカブをマッシュしたものです。場合によっては、そこにベーコンとベーコンの油も付くのですが、今日は溶かしたバター。というわけで、か・な・り・ヘビーです。

左奥のころっ、としているのがコムラ、そのとなりのオレンジのものがコロラビです。右の奥が羊肉、
手前にあるのはゆでたじゃがいも。その上から溶かしバターがかかってます。
コムラは、日本人が食べても全然美味しくありませんが、ノルウェー人はみんな好きです。なぜか木曜日はコムラの日ということになっていて、カフェテリアなどでもこの日はコムラが食べられます。私は、外国人のお客様が来るとこのコムラを食べに連れて行きます。ノルウェーの伝統料理だから話の種に、と言って、たいして美味しくないのを知っていながら連れて行くのでちょっと意地悪ですが、リアクションを見るのが楽しくてやめられません。また、外国人だとこのイモだんごを一個食べるのがやっとですが、ノルウェー人だと平気で2,3個、多い人だと5個くらい食べてしまいます。


2012/02/18

家を建てるって大変!

現在家を建てている話は前にしましたが(「家を建ててます」参照)、正直、こんなに大変とは思いませんでした。めんどくさいんですね、家を建てるって。なにがめんどくさいって、誰か一人窓口の人がいてその人とやりとりをすればいいのではなく、個々の業者といちいちアポを取って、別々に会わないといけないところです。キッチンの業者と会ってキッチンの話をしても、「あ、でもキッチンの蛇口はウチじゃないんですよ、それはバスルームの業者と会って決めてください。あ、それから、両開きの冷蔵庫にするならここの壁を少し延長しないとですね。それは建築の業者と連絡をとってくださいね。」バスルームの業者に会いにいけば、「あ、電気のコンセントや照明は電気の業者と話してくださいね。それから、壁と床は建築の業者と打ち合わせてください。」という感じで。それぞれのテリトリーというものがあるのかもしれませんが、その全員と何度もやりとりしないといけない個人は大変です。

それでも、先週現場を見に行ったら、家の骨組が建って、家らしくなってきていました。この敷地内に、公園やサッカーコートも整備されることになっています。道を挟んだ向こうには幼稚園もあって、休みの日には敷地内の公園で遊んでいいことになっています。また、静かで、車の通りもあまりなく、近くに散歩できる自然エリアもたくさんあります。丘の上にあるので風が少し強いかもしれませんが、2階からは遠くに海も見えるハズ。
右から3番目がウチ。

2012/02/17

ノルウェーの共通番号制度

日本では共通番号制度の導入が閣議決定され、平成27年1月開始をめざす、というニュースを読みました。

ノルウェーではこの共通番号制度、もちろん導入済みです。番号は自分の誕生日6桁プラス5桁の数字、合計11桁からなり、この番号がないと、大げさでなく、ノルウェーではなにもできません。銀行の口座を開くにも、お給料を貰うにも、医者にかかるにも、とにかくなんでもかんでもこの番号が必要になります。私は、引っ越してきた当初妊娠が分かったので医者に行こうとしたのに、この番号をまだ取ってなかったために診てもらえずに苦労した経験があります。でも、この番号を取ってしまったら、あとは全てスムーズでした。

ノルウェーの政府は、誰がどこで生まれて、両親は誰で、どこの学校に通って、どこで働いていて、いくら稼いでいて、どこに住んでいて、誰と結婚していて、子供は何人で、どんな病気をして、病欠は何日取っていて、というような個人の情報を総括的に把握しています。それがひとつのデータベースで管理されていて、役所は必要な情報にアクセスできるわけです。

2012/02/16

ノルウェーで女子会

普段夜に家から出ることなど滅多に無い私ですが、昨日は出かけてきました。行ってきたのは、ノルウェー版女子会、とでも申しましょうか。同僚の女4人で集まってダベろう、という趣向の会です。集まったのは、私と、ノルウェー女子三人。年齢も20代後半から40代前半までばらつきがありましたが、全員子持ちです。私ともう一人は既婚、残る二人ははバツイチのシングルマザーです。また、二人は博士課程の学生、もう一人はポスドク(研究者)です。

集まった場所は参加者のひとりの自宅。時間は8時。平日なのに少し遅いのは、子供を寝かしつけた後に、ということのようです。運転して行ったのでアルコールはナシでしたが、ケーキやパイをつつきながら、仕事のこと、子供のこと、夫や彼氏のこと、家族のことなど、話題はつきません。日本だったら、仕事の後に職場の人と飲みに行ったりするのかもしれませんが、ここは4時や5時には子供を迎えにいかなければいけない国ですから、家族の時間は沢山あっても、実は職場の人とは職場以外であまり会いません。なので、こうやってプライベートで会ってプライベートな話をするのはある意味新鮮です。ランチタイムに一緒にお昼を食べながら話すので、今起こっていることの概要は把握していますが、プライベートだとランチではできないもっとつっこんだ話がきけるというものです。シングルマザー達の波乱万丈の人生の話をききながら、ノルウェーは本当に女の人が元気だな、と思いました。

2012/02/14

選択の自由

私たちは、選択の自由があるのはよい事だと教えられてきました。そして、選択肢は沢山あった方がよいと。日本もアメリカも、選択の自由は沢山あります。スーパーマーケットでも、デパートでも、ブティックでも、スペクトルムの端から端まで、あらゆる嗜好にマッチした商品が並べられています。消費者はその中から自分の一番好きなもの、自分の趣味や嗜好に一番フィットする物を選んで購入することができます。何につけても、日本やアメリカは選択肢が沢山あります。

ノルウェーに来てびっくりしたのは、選択肢の数がやけに少ないことです。例えば、牛乳のメーカーは二つしかありません。それでも、普通の牛乳、低脂肪乳、スキムミルク、など最低限の種類はありますが、日本だったらさらにいろいろなパッケージやら、味やら、子供用のやら、豆乳やら、もっともっと沢山の種類の品物が棚にならんでいるでしょう。例えば、学校のカフェテリア。サンドイッチとスープとサラダバーくらいしかありません。例えば、学校。地域によっては私立の学校などないので、基本的に公立のみです。自分の住む地区の公立の学校に行くのが当たり前で、その他の選択肢はあまりありません。大学の数だって少ないので、留学でもしない限り、あまり選択の余地はありません。ノルウェーは何においても選択肢が少ないのです。

2012/02/13

ラテ修行は続くよどこまでも

前に、私がいかにコーヒーが好きかということを切々と説きましたが(「ラブ コーヒー」参照)、とにかく朝ラテを飲まないと一日が始まらないのです。シアトルやカリフォルニアに住んでいた頃は、別に問題はありませんでした。学校の近くにも、家の近くにもカフェ、もしくはスタバがあったからです。コロラドでは、学校のコーヒーは不味くてとても朝の一杯にはなり得なかったので、私と夫は娘を朝幼稚園に送った後、まずカフェに寄ってコーヒーを飲みながら1~2時間ほどメールのチェックをしたり、仕事をしたりして、それからオフィスに行ったものです。フレキシブルな職でよかった。

そしてノルウェーに引っ越して、同じように朝学校のカフェでコーヒーを飲んでいたのですが、なにしろ値段が高い。毎日二人で、しかも一日何杯も飲めません。そこで、自宅にエスプレッソマシーンを導入して、少なくとも朝の一杯は自分でつくる事にしました。

大切な朝の一杯を作るマシーンです。慎重に選ばなければいけません。けれど、エスプレッソマシーンは種類も色々あって、いったいどれにしたらいいのか分かりません。自分の求めるコーヒーは分かっているので、それに到達できる能力のあるマシーンでなければ、買っても全く意味がないのです。かといってお試しできない。そんなこんなのうちに、地元にある、味わい深い感じのコーヒー・紅茶・ワイン用品専門店に行ってみたところ、そこのオーナーのおじさんがなかなか知識もある印象だったので、そのオーナーの勧めるマシーンを検討してみることにしました。その名は、ミス・シルビア。本当はランチェリオ・シルビアというのですが、通称がミス・シルビア。イタリアのメーカー、ランチェリオ社の製品です。いろいろ調べてみたところ、このミス・シルビアが家庭用の本格的エスプレッソマシーンの走りで、他のマシーンは、このミス・シルビアを真似て作られたそうです。どうやら、このマシーンなら、私の求めるラテが作れそうだと思い、ミス・シルビアに決定。同じくランチェリオ社製のロッキーというグラインダーも買って、とうとうフル装備完了。目指すは理想の朝の一杯。

愛用のマシン、ミス・シルビア

2012/02/12

ノルウェー人のジャンクな食生活

ノルウェーというと、なんとなくナチュラルなイメージがあるかもしれませんが、ノルウェー人がよく食べるものは何かと言うと、なんと、冷凍のピザとコーラ!ノルウェーのイメージを崩してしまったらすいません。でも、実際に住んでいる者の目から見たノルウェーについてのブログなので、ありのままを書くしかありません。

ノルウェー人も自分たちの冷凍ピザ好きを認識していて、やや自嘲的に、ノルウェーの国民食は「ピザグランディオーサ」と言う人もいるほどです。ピザグランディオーサというのは、マーケットシェア1位の定番ピザです。これがまた、ものすご~く普通の、別に美味しくもないピザなので、なぜノルウェー人はみんなこのピザが好きなのか、理解できません。世界一、二を争う豊かな国なのに、こんな食事で満足?!


さらに驚くべきは、ノルウェー人のコーラの消費量です。大人も子供の幼児も、みんなコーラを飲んでます。私は自分の子供にコーラを飲んで欲しくなく、「コーラはだめ!」なんて子供に言っていたのですが、自分たちより小さいイトコも含めてみんな飲んでいるのに、うちだけだめなんて言っても、子供は納得しません。結局なし崩し的にコーラを許す羽目になってしまいました。夫の、「今あんまりダメ、ダメ言っていると、大人になったときにたがが外れてコーラばかり飲んじゃうよ」なんていう言葉に耳をかしたのが間違いでした。その夫は最近タバコを止めたかわりにコーラの消費量が激増。でも、お酒もタバコもいっぺんに止めた人に、コーラもダメ、なんて言えません。おかげで、うちはコーラの缶がごろごろしています。本人にこだわりがあって、プシュッ、と開ける缶コーラじゃないとダメなのです。

2012/02/11

職員旅行はイタリアに決定!

私の働くスタヴァンゲル大学はわりと最近、5年ほど前に大学になったばかりです。その前はもっとコミュニティーカレッジみたいなかんじだったようです。その時代に大きい学部だったのが、ホテルマネージメント。先日100周年を迎えた歴史のある学部です。地元から、そして世界中から学生がホテルマネージメントを学びにこの学部に来ます。なぜこんな話をするかというと、2年ほど前まで経済学部及びビジネスはこのホテルマネージメントの中に入っていたのです。

そのころは、Norwegian School of Hotel Management の中のInstitute for Economics and Managementだったのです。これは経済学者やビジネス系の職員からたいへん不評でした。経済学やビジネスがホテルマネージメントの下にくるのおかしい(その反対ならありえるかも)し、この肩書きは意味不明である、と。なので、私たちは自分の名詞にもこのホテルマネージメントの部分は入れない、自己紹介するときも言わない、という習慣になっていました。

そしてとうとう2年ほど前、ホテルマネージメントと経済・ビジネスは分離することとなりました。それに伴って、私も3階から1階にオフィスを移りました。これは、みんなにとってよい結果を産みました。それまでは、となりのオフィスの人が一体どんな研究をしているのかよくわかりませんでしたが、今では自分と比較的似通った研究をする同僚に変わりました。そういう意味で、もう少し連帯感というものがうまれたように思います。それをさらに強靭にすべく(チームビルディングって言うんですか?)、私の学部では年に一度、職員旅行に行くことになったようです。その年はノルウェー国内でスキー旅行に行ったようですが、私たちはちょうどスペインかどこかにバケーションに行っていたので、職員旅行には行きませんでした。

2012/02/10

障害者にやさしい社会

ノルウェーは概して家族にやさしい社会であると思いますが、障害者にもやさしいようです。

私の同僚の娘さん(8歳)は、ほぼ耳が完全にきこえません。そういう子も普通の学校に行くのだそうですが、どの学校でもいいというのではなく、特別な資格を持った先生がいる学校が地区に一つはあって、その地区の耳のきこえない子はその学校に行くのだそうです。彼は離婚していて、娘さんは2週間ごとに父親と母親の家に交代で住むことになっています。彼(同僚)はたまたま自宅がその学校の近くだったのですが、元奥さんの家は学校から随分離れたところにあります。そして、仕事の都合で、元奥さんは娘さんを学校まで送り迎えすることができません。

さて、ここからがノルウェーです。上記の状況でどんなことが起こるかというと、国が娘さんの為にタクシーを手配してくれるのです。娘さんが元奥さんの家にいる間、毎朝タクシーが迎えに来て、学校まで送ってくれます。学校ではもちろん誰かが迎えに出てくれているので、安心です。帰りも同様、タクシーが来てくれます。ノルウェーはタクシー代も高いので、自腹だったら毎日一万円近くの出費になると思われますが、それを国が負担してくれるのです。

また別の話。夫のクラスに、やはり耳のきこえない学生がいるそうです。彼女は講義に来るわけですが、なんと通訳(というんですか?手話で講義の内容を伝えてくれる人です)を連れてきます。彼女が質問に来るときは、もちろん通訳の人も一緒です。これも、国が負担してくれるようです。

2012/02/09

ノルウェー人と国際結婚(2)アジアからの嫁

私が移民希望者必須の社会学の講習に行っていたとき、クラスメートに何人もタイやフィリピン、インドネシアなど出身でノルウェー人と結婚している女性がいました(日本人はもちろん私のみ)。そして、講習の内容が国際結婚の話に移ったとき、彼女たちの怒りが噴き出したのでした。彼女たち曰く、「私たちは自分の国でそれなりにいい生活を送ってきた。ノルウェーに来たのは愛する人と暮らすためだ。それなのに、ノルウェー人たちは、私たちが金目当てでノルウェーに来たと思っている。まったく腹立たしい!」

また、別の話ですが、私のママ友だった人で、今はもうアメリカに戻ってしまいましたが、ベトナム系アメリカ人の人がいました。彼女はアメリカでは歯医者さん。バリバリのプロフェッショナルです。だんなさんはゲルマン系の白人なので、見た目はノルウェー人です。彼女は、ノルウェーで、周りから「なんとなく下にみられてる気がする。貧しい国からよい暮らしを求めて遠いノルウェーまでやって来たのね、みたいな。」と憤っていました。アメリカでもアジア人に対する差別があると思われるかもしれませんが、アジア系移民は第一世代ががんばって第二世代によい教育を受けさせてきたので、いまどきのアジア系アメリカ人はプロフェッショナルな職に就く人がたくさんいます。私の住んでいたシアトルやカリフォルニアは特に西海岸ということもあって、アジア人の学生が沢山いました。彼らはみんな医者や弁護士になるように親から多大なプレシャーを与えられていました。そんなこともあり、アジア系アメリカ人の社会的地位は決して低くはないと思います。しかも彼女はアメリカでは歯科医としてリスペクトされる地位にあったのです。それがノルウェーでは、ノルウェー人と結婚するしかよい暮らしを得る方法がなかったのね、みたいに見られて、心外だわ、と言っていました。



2012/02/08

ノルウェー人と国際結婚(1)

こちらでノルウェー人と結婚している日本人の人に会うと訊いてしまう質問は「どこで出会ったんですか?」日本人の留学生は少ないし、観光で訪れたとして、そんなうまい具合に出会いってあるんでしょうか?それで、皆さん一体どんな出会いをして、このヨーロッパの北の果てに落ち着くことになったのか、興味があったわけです。

サンプル数が少ないので一般化はできませんが、私が訊いた人ほぼ全員、ノルウェー以外の外国で出会うケースが多いようです(私自身を含めて)。出会った国はアメリカ、日本、イタリア、オーストラリア、と見事にばらばら。日本人もノルウェー人も、外国旅行に行く頻度が高いのでしょうか。

もっと範囲を広げて、外国人の伴侶を持つノルウェー人、または外国人でノルウェー人の伴侶を持つ人たちにも同じ質問をしているのですが(アメリカ人、イギリス人、ドイツ人など)、これも外国で会うケースが多いようです。タイ人やフィリピン人の女性はインターネットで、という人たちもけっこういました。

ノルウェー人の国際結婚についてノルウェーのSSB(中央統計局)で調べてみたところ、少し前の統計しか見つからなかったのですが、国際結婚は増加傾向にあるようです。2004年の統計によると、移民と結婚したノルウェー人は20パーセントほどで、内訳はノルウェー人男性と移民女性の結婚が13パーセント、そしてノルウェー人女性と移民男性が7パーセント、となります。国別に見てみると(下図参照)、ノルウェー人男性は80パーセント以上、ノルウェー人女性は90パーセントほどがノルウェー人と結婚したようです。けれど、例えばロシアやタイ、フィリピンの女性はほとんどがノルウェー人男性と結婚したようです。日本人は少な過ぎるようで、図には入っていませんでしたが、私の知る日本人女性はほぼみんなノルウェー人と結婚しているので、似たような比率になるのではないでしょうか。

出身国、性別の移民でない人(ノルウェー人)と結婚した人の割合
出典http://www.ssb.no/vis/english/magazine/art-2006-10-13-02-en.html

日本の国際結婚事情もついでに調べたら、2010年の統計で4.3パーセント。けっこう少ないんですね。それと比べると、ノルウェーの20パーセント、というのはかなり大きい数字です。5人にひとりは国際結婚している勘定です。

さて、次回パート(2)では、アジア人女性とノルウェー人男性の結婚について考えてみたいと思います。

2012/02/07

公平と競争

ノルウェーでは、大多数(98パーセント)の子供たちは公立の学校に通います。これは、私の同僚、つまり大学教授という、子供の教育にはうるさそうな人たちも、同じように子供を公立の学校に入れています。一方、うちの娘たち(6歳と3歳)は英国インターナショナルスクールに通っています。私立の学校です。これは、実は私ではなく夫のたっての希望(というか、娘たちを公立の学校に入れるなら、オレの屍をまたいでから行け、というほどの強い主張)によるものです。

夫はノルウェー人なので、もちろんノルウェーの公立学校に通いました。そして、その経験はあまり好ましいものではなかったようです。なぜかというと、ノルウェーの学校は、非競争を軸としています。小学校のうちは成績表もなし。「できる子」と「できない子」の区別をできるだけなくしているようです。そして、レベルは中くらいから下に合わせているので、「できる子」だった夫はおもしろくなかったようです(本人談)。がんばっても褒めてもらえず、できない子の手助けばかりさせられる。授業は簡単すぎてつまらないし、だからといって、できる子用に難しい問題を与えてくれるわけでもない。友達と遊ぶのは楽しいけれど、アカデミックの面では全く刺激を与えてもらえない環境だったようです。そして今、夫の姪っ子(11歳)が同じような境遇にあるようです。

2012/02/06

ノルウェーの産休・育休

ノルウェーについてのブログを書くとなると、やはり触れなければならないのは、産休・育休制度ではないでしょうか。私は上の娘をカリフォルニアで、下の娘をノルウェーで産んだのですが、カリフォルニアのときは学生だったので、あまり産休とかは関係ありませんでした。下の娘の方は、ノルウェーに引っ越してきてすぐ妊娠が分かりました。ノルウェーの産休制度は最低6ヶ月働けば受け取ることができます。私は2008年の7月に働き始めたので、その年いっぱい働けば産休を取る権利があることになります。娘の予定日は2月。まるで図ったようなタイミングにかなり気が引けましたが、職場の人たちはまったく気にする様子もなく、かえって「いやー、せっかくノルウェーに引っ越したんだから、制度は利用しなくちゃね」という感じでした。

というわけで、引っ越してけっこうすぐに産休・育休制度について調べたわけですが、100パーセント有給で10ヶ月、80パーセントで12ヶ月、というものです。つまり、産休・育休中お給料はほとんど減らない。これは助かります。また、この期間は夫婦間で、と言う意味で、妻のみ、ではありません。誰がいつとる、というのをわりと自由に割り振ることができます。ただし、最初の9週間(予定日3週間前と子供が生まれてから6週間)は母親がとる、というのと、父親は最低12週間の育休を取らなければいけない、というのが決まっています(2009年2月の時点では6週間だったのが、今では12週間に増えました)。




2012/02/05

大学教授・仕事の中身は?

大学教授というのは、職業としてはあまり知られていないのでは、と思い、また、ブログばっかりして本当にちゃんと仕事してるの?と思われても困るので、ここらで仕事内容に少し触れてみたいと思います。

私の仕事は、半分は教えて半分は研究する、というのが大まかな内わけです。教える、といっても、ノルウェー語では教えられないので、私の授業は全て英語。なので、基本は修士・博士のクラスを教えています。今年教えているのは、修士の計量経済学(エコノメトリックス)とマーケティングリサーチメソッドのクラスです。だいたい年にクラスを2つ、多いときは3つ教えます。ひとつのクラスにつき、講義は週に2~3回、一講義2時間くらいでしょうか。2時間の講義の準備をするのに、その何倍もの時間を費やして準備をするので、同じクラスを教えるときは随分ラクですが、新しいクラスを教えるときは、かなりの時間を使います。また、宿題と宿題の解答、コンピューターを使った分析を教えるときはそれ用のエクササイズなども作ります。

もうひとつの柱、研究ですが、私の専門は消費者選択、コンスーマーチョイス、とよばれる分野で、文字通り、消費者がどのように選択するのかを研究します。私の今のテーマはサステナブルマーケット。消費者の、エコラベル、オーガニック、ローカルフード、フェアトレード、など、サステナビリィティーに関連したラベルの品物の選択を研究しています。他にも、健康関連のラベルで、消費者がどのようにヘルシーもしくはあまりヘルシーでない食品を選ぶのかや、産地表示が消費者選択に与える影響なども研究しています。研究地域も、アメリカ、ヨーロッパ、日本、と幅広く研究しています。研究は、同じ大学の研究者だけでなく、アメリカや日本、他のヨーロッパ諸国の人たちと共同でやっています。ひとりで、というのはあまりありません。

2012/02/04

フェリーでタウへ

この週末は、夫のお父様の誕生日ということで、夫の家族の所に遊びに行きました。夫の家族はタウ(Tau)という、スタヴァンゲルからフィヨルドを隔てた所に住んでいます。地続きでなくはないのですが、道はつながっていないので、スタヴァンゲルからはフェリーで行きます。遅いフェリーなので、片道だいたい40分くらいかかります。もちろん通勤圏内なので、タウや、その向こうの町や村からスタヴァンゲルに通勤・通学する人も沢山います。このフェリーは車ごと入るようになっています。二階はサロンになっていて、売店などもあり、くつろげるようになっています。

タウフェリー
到着すると、フェリーの口が開いて、そこから車が乗り降りします。もちろん車がなくても乗れます。

2012/02/03

ラブ コーヒー

私はコーヒー大好き。もう完全にアディクションです。しかも、普通のドリップーコーヒーではなく、エスプレッソでないとだめです。特に、朝一で飲むラテはすご~く大事で、このラテがないと、一日の仕事がはかどらないばかりか、その日一日不機嫌です。

このコーヒーオブセッションは、シアトル留学時代に端を発します。私は1994年から1999年まで、5年間シアトルで過ごしたのですが(イチローが来たのは私が去った後でした)、シアトルはアメリカのコーヒーキャピタル。スターバックスもシアトル発です。1994年当時、まだエスプレッソは日本ではそんなに一般的ではなかったと思います。私は、アメリカに行くまでエスプレッソなんて飲んだことありませんでした。

シアトルのワシントン大学では、学期の初めに留学生を集めてオリエンテーションがありました。なんと、エスプレッソドリンクのオーダーの仕方、というのが、プログラムに組み込まれていました。エスプレッソはこういう飲み物で、シングル、ダブルと数えて、ここにスチームしたミルクを加えたものがラテ、さらにチョコレートを加えたものがモカ、そして、カップの大きさによって、ショート、トール、とあり(当時グランデやヴェンティがあった記憶はありません)、例えばシングルショットでトールサイズのラテだったら、シングルトールラテとなります、なんて具合でした。エスプレッソのオーダーの仕方は、シアトルにおいては、留学生には不可欠な知識であるとの判断でしょうか。

シアトル大学時代に通いつめたカフェアレグロ。もちろん今も健在です。シアトルにお立ち寄りの際はぜひU-Districtまで足をのばしてみてください。ホームページはこちら



2012/02/02

ノルウェー人とパーソナルスペース

ノルウェー人は、個人を大切にする人たちです。他の人のスペースを侵すのをよしとしないせいか、外国人からは冷たい、フレンドリーでない、と受け取られるようです。

私が社会学の講習(永住希望者必須)を受けていたときのクラスメート、特にアフリカやラテンアメリカから来ている人達は口々に「ノルウェー人は愛想がない」「道で会ってもほとんど会話もしない」などど文句を言っていましたが、よくよく話を聞いてみると、その人達の国では、道端で会ったら30分程話をして、さらに自宅に招いてお茶でも飲みながらもっと話をするんだ、なんて言っているので、その物差しで計ったら、ノルウェー人だけでなく、世界の先進国の人々のほとんどは無愛想にカテゴライズされてしまいます。

それでも、例えば他の北欧の国、デンマークやスウェーデンと比べても、ノルウェー人は愛想がないというか、あまり外交的でない、とノルウェー人自身も自覚しているようです。

2012/02/01

家を建ててます

今、家を建ててます。ノルウェーではもう建ってる中古の家を買う方が一般的かと思いますが、なにしろ家の値段がべらぼうに高いので、比較的新しくて、便利な立地の家なんてムリ、手が出ません。どれくらい高いかというと、3LDKで一億円とか(!)。もう少し手が出そうな家は人気もあるので、競売のプロセスで値段が競りあがって、結局すごく高くなるか、または古くて(下手したら築100年なんてことも)、いろいろ修繕しないといけない物件だったりします。自分たちで手を入れるなんてスキルが全くない私たちは、始めからそういう家は買わないことにしています。人件費もべらぼうに高いので、人を雇って修繕していたら、結局高くついてしまいます。知り合いには、わざわざアイスランドやポーランドから飛行機代を払って人を雇い、大工仕事をしてもらっている人もいるくらいです。

ここは、サンフランシスコでも東京でもない、小さい街なのに、なんでこんな値段になるのか。はっきり言って住宅バブルです。家の値段が年に20~25%も上がります。引っ越してきたときから、いつバブルがはじけるかと待っていたのですが、全くはじける気配もなく、金融危機も無事乗り切ってしまいました。このまま待っていても値段がどんどん高くなるだけのようなので、この辺でそろそろ家を買うことにしました。

場所は少し中心から離れていますが、それなりに便利な立地の新興住宅街です。家は、全く白紙から自由に建てるのではなく、もう大体のスペックは決まっていて、その中でキッチンやバスルーム、壁などを自分の好みにに合わせることができます。というわけで、先日キッチンとバスルームのショールームに行ってきました。